カク-恩師-※三人称(リクエスト作品) ページ37
※夢主さまは固定しております。ご了承をお願い致します。
※また今回から書き方を変えていきますので、もし前の方が良かったなどのご意見がある場合は教えてください。
※カクの少年期は本編で明かされていないと思いますので、作者の自己解釈と妄想が入っています。
東の海、とある島。穏やかで暖かな風が、少年の頬を撫でていく。少年の名前はカク。彼は灯台から見る海が好きだった。
「ねぇ君、よくここにいるよね？」
背後からかけられた声の振り向くと、柔らかな微笑みを称えた女性が立っていた。いつからそこにいたのだろうか。足音や気配を全く感じなかったと、カクは身構える。しかし女性はそのまま彼の隣に来ると、海を眺め始めた。敵ではないと判断し、彼もまた海に目を向ける。
「……いつから、そこにいたんじゃ」
「ちょっと前からだよ」
女性は自らをミシャと名乗った。魔法使いであり、それなりに強いのだと。カクはずっと強くなりたいと思っていた。試しに一戦交えてみると、一発も攻撃できないまま終わってしまい自分が無力だと彼は絶望する。しかしその後もミシャに稽古をつけてもらい、カクは少しずつ成長していき、彼女を先生と呼び慕うようになった。
「しかし先生は強いのう」
「小さい頃から頑張ってきたからね。……ずっと気になってたんだけど、どうしてそんな喋り方なの？」
「…………わしのじいさんがこんな喋り方だったんじゃ」
カクにとって祖父は大事な存在だった。しかし、そんな彼も年には勝てなかった。カクは祖父のことを忘れないように、彼のように強くなるために喋り方を変えたのだと話す。
「変か？」
「ううん、全然。何か理由があるとは思っていたけど、そんなことが」
ミシャはそっとカクを抱き寄せた。強く、強く、何かから守るように。カクは最初こそ戸惑ったものの、彼女の体温に心が安らいでいくのを感じていった。
「カク……その思いを決して忘れないで。誰かを愛するということは人間として必要な感情だからね」
それからしばらくして、ミシャはこの島を離れてしまった。自らの愛する人と共に。カクは灯台から、彼女の乗っている船を虚な目で見つめる。
「行かないで…‥先生っ」
彼女は戦いだけではなく、自分に愛の大切さを教えてくれた。無償の愛をくれた。そして何より、カクにとって初恋だった。家族以外でこんなにも誰かを愛したことはない。彼の目から、涙が止まることはなかった。
-fin-
ゾロ-和ノ月-※三人称(リクエスト作品)→←マルコ-意地悪な隊長-※三人称(リクエスト作品)
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神崎理人(プロフ) - FROM 13さん» めっちゃ好きと言って頂けて本当に良かったです！！期末テスト頑張ってください！ (2023年1月16日 8時) (
レス) id: c155f357ba (このIDを非表示/違反報告)
FROM 13 - これ見て期末テストがんばります‼ (2023年1月16日 6時) (レス) @page41 id: 7a02670e78 (このIDを非表示/違反報告)
FROM 13 - きゃあああああああああ❤!!!ありがとうございます‼めっちゃ好きでした‼ (2023年1月16日 6時) (レス) @page41 id: 7a02670e78 (このIDを非表示/違反報告)
神崎理人(プロフ) - FROM 13さん» お待たせいたしました…！久しぶりに書いたので、至らぬ点あるかと思いますが…気に入って頂ければ幸いです。 (2023年1月15日 22時) (レス) @page41 id: 5194b0739c (このIDを非表示/違反報告)
神崎理人(プロフ) - FROM 13さん» はじめまして！リクエストありがとうございます、大丈夫ですよ！少々お待ちください…！ (2023年1月15日 21時) (レス) @page40 id: 5194b0739c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎理人 | 作成日時：2020年7月8日 10時
