【オクタヴィネル寮・フロイド】-挨拶-※三人称 ページ29
「小・エ・ビ・ちゃーん！！」
朝の廊下に軽快な声が響き渡る。
「おはようございます、フロイド先輩」
「うん、おはよ♡」
昼休み。
「ばあ♪ なんちゃって」
「ふふ、フロイド先輩。こんにちは」
「うん。こんにちは♡」
朝と昼の様子を見ていたグリム、エース、デュースの三人はお互いの顔を見合わせる。
「ねぇ、あの二人って付き合ってないんだよね？」
「ああ。そのはずだ」
ひそひそと話すエースとデュース。
「フロイドのヤツ、Aの姿を見つけると挨拶してくるんだゾ」
グリムは退屈そうに尻尾を揺らしていた。
「フロイド先輩って絶対！ Aのこと好きでしょ」
「僕もそう思う」
Aのマブである二人は彼女の幸せを願いつつ、見守ることに決めた。
＊＊＊
放課後の中庭。
「ねぇ、小エビちゃんって魔法使える？」
Aを自分の膝の間に座らせつつ、逃がさないように腕と足を絡ませているフロイド。
「使えませんよ？ どうしたんですか、急に？」
苦笑しながら彼女は答える。
「だよねぇ。……オレ、飽きっぽいんだけどさ小エビちゃんには全然飽きねぇの」
嬉しそうに笑うフロイドはAに甘えるようかのように頬をすり寄せる。
「髪の毛がくすぐったいですっ……」
体を捩るが、全く意味を成していない。
フロイドも特に気にしておらず時折、キュウ……という声を出す。
「小エビちゃん……オレに何かした？」
真面目な声音でフロイドは彼女に問う。
「何もしてないですよ、本当に。魔法薬とかも使っていません」
彼女の答えに彼は考え込むように唸りを上げた。
「フロイド、捜しましたよ」
落ち着きのある声に二人は顔を上げる。
そこにはフロイドの片割れ──ジェイドの姿が。
「モストロ・ラウンジの開店時間です。行きますよ」
「えぇ〜メンド」
「フロイド先輩、仕事にはちゃんと行かないとダメですよ？」
「小エビちゃんまでぇ……。分かった、出る」
しぶしぶフロイドは彼女から離れる。
「ふふ、では行きましょうか。Aさん、ありがとうございました」
ジェイドはAに頭を下げると、フロイドと共に踵を返した。
「フロイド……彼女のことを気に入っているようですが」
「うん♪ 小エビちゃんといると、楽しいんだもん」
穏やかな笑みを浮かべる彼を見て、ジェイドは気づいた。
フロイドは彼女に恋をしているのだと。-fin-
【サバナクロー寮・ジャック】-小さな飴を-※三人称(リクエスト作品)→←★【スカラビア寮・カリム】-帰る場所はどこにもない-※三人称(リクエスト作品)
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Licht-リヒト-(プロフ) - いちご庭園さん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません！ 応援、そして私の作品を好きと言ってくださってありがとうございます！！ とても嬉しいですし、励みになります！ 今後もよろしくお願いします！ (2021年7月4日 22時) (
レス) id: 2db1a0a3f4 (このIDを非表示/違反報告)
いちご庭園 - 夢に向かって頑張ってください！作品好きです！ (2021年7月3日 22時) (レス) id: 26f1e978d7 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - Licht-リヒト-さん» 私の自業自得で貴方にも迷惑させて、誠に申し訳ありません。 (2021年4月17日 9時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
Licht-リヒト-(プロフ) - 星猫さん» なるほど。お気になさらないでください。 (2021年4月16日 16時) (レス) id: 06cdff307d (このIDを非表示/違反報告)
Licht-リヒト-(プロフ) - 華衂??暁さん» 返信がだいぶ遅れてしまい、申し訳ありません。私の書いた作品を読んで頂けたこと、そして応援もして頂いて、ありがとうございます！ いつの日にか更新を再開しようと思っていますので、その時はまた読んで頂けると嬉しいです！ (2021年4月16日 16時) (レス) id: 06cdff307d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Licht-リヒト- | 作成日時：2020年10月14日 13時
