☆【ハーツラビュル寮・エース】-悪夢なんて消してやる-final※三人称 ページ11
少年の叫びが闇となり、エースの体を吹き飛ばした。
「ぐはっ！」
壁に激突して、エースの体に激痛が走る。
「くっそ……」
エースは話し合いでは解決しないと悟り、マジカルペンを取りだす。
「ふ〜ん。ボクと戦う気？ でも今気分じゃないから……君の相手は彼がしてくれるよ」
そう言って出てきたのはエースと似ているが、彼より大人っぽい顔立ちの青年だった。
頬にはハートマークが。
「あ……にき？」
エースは彼の姿を見て固まってしまう。
そう……出てきたのは紛れもなくエースの兄だったのだ。
しかし様子が変だ、全体的に黒いオーラが彼の周りを包んでいる。
エースとAは絶望した。
今まで何度も、その姿を見てきた。
「あ、ちなみに彼との対話は不可能だよ。彼、君を助ける時に魔力を許容範囲を大幅に超えるほど使って今みたいになったんだからね」
少年の説明を聞いて二人の頭に“オーバーブロット”の文字が浮かぶ。
「そ、んな……兄貴、嘘だろ？」
マジカルペンを持つエースの腕が震えた。
「エース。お前は変わらないな」
オーバーブロットしたはずの兄から話しかけられ、エースは目を見開く。
「え、どうして！？ 喋れないはずじゃないの！？」
少年もひどく狼狽えている。
「あほかよ。オレがこれぐらいで自我を失うかよ」
「そ、そんな……騙したのか！？」
「エースを助ける為だからな」
平然と話す兄の姿にエースは唖然とする。
「エース！ 彼女の手を握れ！」
そう叫んだ彼が指を鳴らすと、Aの体がエースの隣に移動する。
「A！ すぐ外してやるからな！」
エースは彼女のさるぐつわを外す。
「あ、ありがと」
Aに目立った傷などはなく安心するエース。
「逃がさないよ！」
「お前の相手はオレだ！」
そう言って少年を足止めする兄。
「兄貴っ！」
「エース……オレの体はもう持たない。この状態で今までいたんだからな。大丈夫……もう誰も、悪夢を見ないようにしてやるから。それが兄として出来る……最後の、仕事だ」
一筋の涙を流した彼から強大な魔力が溢れた。
「兄貴ーー！！！」
エースの叫びと共に二人の体が光に包み込まれる。
＊＊＊
「良かった……起きた！」
現実世界へと戻ってきたエースとAにデュースたちは涙を流して喜んだ。
その後、誰も悪夢で苦しむ事はなかったという。
「ありがとう、兄貴。じゃあな」-fin-
【サバナクロー寮・ラギー】-満たされない-※一人称(リクエスト作品)→←☆【ハーツラビュル寮・エース】-悪夢なんて消してやる-third※三人称
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Licht-リヒト-(プロフ) - いちご庭園さん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません！ 応援、そして私の作品を好きと言ってくださってありがとうございます！！ とても嬉しいですし、励みになります！ 今後もよろしくお願いします！ (2021年7月4日 22時) (
レス) id: 2db1a0a3f4 (このIDを非表示/違反報告)
いちご庭園 - 夢に向かって頑張ってください！作品好きです！ (2021年7月3日 22時) (レス) id: 26f1e978d7 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - Licht-リヒト-さん» 私の自業自得で貴方にも迷惑させて、誠に申し訳ありません。 (2021年4月17日 9時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
Licht-リヒト-(プロフ) - 星猫さん» なるほど。お気になさらないでください。 (2021年4月16日 16時) (レス) id: 06cdff307d (このIDを非表示/違反報告)
Licht-リヒト-(プロフ) - 華衂??暁さん» 返信がだいぶ遅れてしまい、申し訳ありません。私の書いた作品を読んで頂けたこと、そして応援もして頂いて、ありがとうございます！ いつの日にか更新を再開しようと思っていますので、その時はまた読んで頂けると嬉しいです！ (2021年4月16日 16時) (レス) id: 06cdff307d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Licht-リヒト- | 作成日時：2020年10月14日 13時
