【オクタヴィネル寮・アズール】-本当に依存しているのは-final※三人称(リクエスト作品) ページ38
「ええ、まぁ。彼女の行動はチェックしていましたし」
アズールはジェイドの圧に屈することなく、話す。
「僕は、彼女が幸せなら良いと……。身を引こうと思っていたんです。ですがアズール、貴方との話を聞いて別れさせたいと思わずにはいられなかった」
「ふふ、そうだろうな。お前がAさんに惚れている事は僕も知っていた。でも残念でしたね、彼女がジェイドの番になる日は来ない」
その言葉を聞いてジェイドの中で、我慢していた物が音を立てて崩れ去った。
頭で考えるよりも先に体が動いていた。
「ちょ、ジェイド！！」
フロイドの焦った声と共に、床に押し付けられる。
「離せ！ どうしてお前なんだ！！ 僕の方がAさんの事を幸せに！ 笑顔に出来るのに！！！！！」
いつもの敬語は消え去り、ジェイドは嫉妬の念をぶつける。
「そうだとしても、彼女が選ぶのはこの僕だ」
頭上から冷たい声が降りかかる。
結局……ジェイドの拳がアズールに届く事はなかった。
「いい加減にしてくんね？」
二人の間に割って入るようにフロイドの声が部屋を満たす。
「ジェイドの気持ち踏みにじんなよ！」
フロイドはアズールの首元を掴む。
「兄弟そろってなんです？ 僕が嫌なら寮から出ていけ、お前たちはもう用済みだ」
アズールはフロイドの手をあしらうと部屋を出て行った。
「すみません。お見苦しい所を見せてしましたね」
ジェイドは先程と打って変わって乱れた服を整えながら微笑む。
「あのアズールって本物？ 別人みたいで、気持ちわりー」
フロイドは舌を出しながら悪態をつく。
「少し出てきますね」
「え？」
ジェイドは不安そうなフロイドの頭を撫でると、オンボロ寮へと足を向ける。
彼女の真意を確かめる為に。
オンボロ寮へ着くと、明かりがついていたのもありジェイドはAと会う事が出来た。
「こんな時間にどうしたんですか？」
「ええ、少し確認したい事が」
そう言ってジェイドは彼女に口付けを落とす。
驚きでAの思考は止まる。
それを見計らったようにジェイドは言葉を紡ぐ。
「僕の目を見て。力になりたいんです。
ユニーク魔法を使ったジェイドは、震える声で話す。
「貴方の想い人は？」
「アズール先輩です」
「何故、ですっ？」
「好きだから、どんなに傷つけられようと」
彼女の真意を知ったジェイドは静かに、踵を返した。
その瞳には大量の涙が溢れ出していた。-fin-
【サバナクロー寮・レオナ＆スカラビア寮・カリム】-誰よりも愛していた-※三人称(リクエスト作品)→←【オクタヴィネル寮・アズール】-本当に依存しているのは-second※三人称(リクエスト作品)
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Licht-リヒト-(プロフ) - ハイドさん» いえいえ！ ご希望に応えられたようで安心しました！ 「カリムって大切な人が傷つけられている場面を見ると、人格変わりそう……」と実際は分からないんですけど、そうだったら良いなぁと思いながら書いていました！ リクエストありがとうございます！ (2020年10月14日 13時) (
レス) id: dfd8bd8685 (このIDを非表示/違反報告)
Licht-リヒト-(プロフ) - ミリアさん» 出来ました！ こんな感じで大丈夫だったでしょうか？ (2020年10月14日 13時) (レス) id: dfd8bd8685 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - リクはトレイでお願いします。 (2020年10月13日 13時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
ハイド - Licht-リヒト-さん» リクエストに応えて頂き、ありがとうございます！あかん、スカラビア組で一番怒らせちゃいけないの、カリムだあ…ジャミルも怒らせちゃいけないんだけど(ｶﾞｸﾌﾞﾙ (2020年10月13日 9時) (レス) id: c3c1291a5b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 凄く良いですね。 (2020年10月12日 20時) (レス) id: dba8a79b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Licht-リヒト- | 作成日時：2020年9月10日 18時
