【ハーツラビュル寮・トレイ】-手を伸ばせばいいだけ-※一人称(リクエスト作品) ページ34
※夢主さまside
私には想いを寄せている人がいる。
ハーツラビュル寮3年生のトレイ先輩だ。
最初は面倒見のいいお兄ちゃんという印象だった。
でも、私が良い事をしたときに頭を撫でてくれる手だったり。
優しい声だったり、お菓子を作って食べさせてくれる彼にいつしか心惹かれていた。
きっと彼の事だから、誰にでもしているのだろう。
それがどうしようもなく私の胸を締め付ける。
「A？ ボーっとしてどうしたんだ？」
ハッとなり意識が現実世界に引き戻される。
「いえ、なんでもないですよ」
「……そうか」
トレイ先輩は微笑むと、ノートへと目を向けた。
そうだった。
私は今、トレイ先輩と課題に取り組んでいる途中だった。
視線だけを横にずらすと、真面目に問題を解いていくトレイ先輩が映る。
手を伸ばせば、隣にいるトレイ先輩に触れられるのに。
「そんなに見られると、やりづらいんだが……」
困ったように笑うトレイ先輩と目が合う。
私は思わず目を逸らしてしまった。
「どうしたんだ？ 何か悩み事か？」
そう言ってトレイ先輩は私に手を伸ばす。
私はその手を見て……ひどく虚しい気持ちに襲われた。
「私は……先輩にとってなんですか？」
その言葉でトレイ先輩の手が私に触れる寸前で止まった。
「俺にとってのお前……」
トレイ先輩はしばらく考え込んでから、静かに口を開く。
「大切な後輩だぞ？」
「そう、ですか」
一度出してしまった言葉は、二度と取り消す事は出来ないから厄介だ。
私はこぼれそうになる涙を必死にこらえる。
「なんて言えたら……俺も楽なんだがな」
「え？」
トレイ先輩の声に顔を上げると、唇を奪われていた。
何が起こっているのか……分からなくて思考が完全に停止する。
「俺は後輩に……こんな事しない」
「そ、れって……」
好きだ。
そう先輩の口から紡がれた。
夢でも、見てるのかなっ。
だって、あのトレイ先輩が私に好きだと言ってくれた。
それに、キスも。
嬉しいっ。
「もっと準備を整えてから言いたかったんだがな」
トレイ先輩の指が私の涙を拭ってくれる。
「私も……先輩が、好きですっ」
いつか離れてしまうその日まで。
私はあなたの手を取り、歩いていきたい。-fin-
【ハーツラビュル寮・ケイト】-応援してるよ-※一人称→←【ディアソムニア寮・セベク】-きっと未来で-※三人称(リクエスト作品)
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Licht-リヒト-(プロフ) - ハイドさん» いえいえ！ ご希望に応えられたようで安心しました！ 「カリムって大切な人が傷つけられている場面を見ると、人格変わりそう……」と実際は分からないんですけど、そうだったら良いなぁと思いながら書いていました！ リクエストありがとうございます！ (2020年10月14日 13時) (
レス) id: dfd8bd8685 (このIDを非表示/違反報告)
Licht-リヒト-(プロフ) - ミリアさん» 出来ました！ こんな感じで大丈夫だったでしょうか？ (2020年10月14日 13時) (レス) id: dfd8bd8685 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - リクはトレイでお願いします。 (2020年10月13日 13時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
ハイド - Licht-リヒト-さん» リクエストに応えて頂き、ありがとうございます！あかん、スカラビア組で一番怒らせちゃいけないの、カリムだあ…ジャミルも怒らせちゃいけないんだけど(ｶﾞｸﾌﾞﾙ (2020年10月13日 9時) (レス) id: c3c1291a5b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 凄く良いですね。 (2020年10月12日 20時) (レス) id: dba8a79b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Licht-リヒト- | 作成日時：2020年9月10日 18時
