【オクタヴィネル寮・フロイド】-絶対取り戻す-semi final※三人称 ページ26
「そう。エペル、アンタには一生分からないでしょうね。アタシがどれほどAを愛しているのか。もう……遅いのよ」
苦しそうに呟いたヴィルはマジカルペンを構える。
「ヴィル、サン……」
顔を上げたエペルの表情は青ざめている。
「エペルさん！」
アズールは彼を庇う為、咄嗟に前に出る。
それと同時にヴィルの魔法が二人へと真っ直ぐに向かう。
-ﾊﾞｷｨｨｨﾝ
しかしヴィルの攻撃は、カリムによって弾かれた。
その光景にヴィルだけでなく全員が唖然となる。
「お前……寮生に何をしている」
冷たい声が辺りに響く。
それはまるでジャミルに洗脳されていた頃のカリムを彷彿とさせた。
「……本気でカリムを怒らせてしまったか」
ジャミルは手遅れだと言うように首を横に振る。
どうやらジャミルが今のカリムに何か手を加えたわけではなさそうだった。
「ウチの寮生よ。何をしようが寮長であるアタシの勝手じゃないかしら？」
「寮長だからって寮生を傷付けても良いのか？ 違うだろ。自分の思い通りにならないからって傷付けていいわけじゃない。そんなの、人の上に立つ者として……最低な行いだ！」
カリムの言葉は人として、寮長として。
そして“王”としての言葉に感じられた。
「Aは返してもらうぞ」
「待ってラッコちゃん。ベタちゃん先輩の相手はオレだから」
「ん？ そうか。悪い悪い」
先程までのカリムはどこに行ったのか。
一瞬で柔らかい雰囲気を身にまとう。
「エペルさん、カリムさん。ここはフロイドに任せて僕たちはAさんを助けに行きましょう」
アズールは二人に耳打ちする。
そしてエペルの案内でAがいるヴィルの部屋へ向かうアズールたちだったが……。
「ここから先を通す訳には行かないよ」
ルークの登場によって妨げられる。
「ルーク。お前の相手は……」
「オレたちで十分てきな？」
トレイとケイトがルークの前に立ちはだかる。
「リドルたちは早くAを！」
「分かった！」
「行かせな……くっ」
リドルたちを追おうとしたルークの目の前に、ダイヤのトランプが横切る。
「オレ言ったよね？ 君の相手は“オレたち”だって」
ケイトの言葉を聞いてルークの背筋に悪寒が走った。
そこには服装こそ違うが、5人のケイトが不敵な笑みを浮かべていた。
「なるほど。ムシュー・マジカメのユニーク魔法か」
ルークはこの時、なぜか悲し気に笑った。
-To be continued-
【オクタヴィネル寮・フロイド】-絶対取り戻す-final※三人称→←【オクタヴィネル寮・フロイド】-絶対取り戻す-quarter final※三人称
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 104人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Licht-リヒト-(プロフ) - ハイドさん» いえいえ！ ご希望に応えられたようで安心しました！ 「カリムって大切な人が傷つけられている場面を見ると、人格変わりそう……」と実際は分からないんですけど、そうだったら良いなぁと思いながら書いていました！ リクエストありがとうございます！ (2020年10月14日 13時) (
レス) id: dfd8bd8685 (このIDを非表示/違反報告)
Licht-リヒト-(プロフ) - ミリアさん» 出来ました！ こんな感じで大丈夫だったでしょうか？ (2020年10月14日 13時) (レス) id: dfd8bd8685 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - リクはトレイでお願いします。 (2020年10月13日 13時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
ハイド - Licht-リヒト-さん» リクエストに応えて頂き、ありがとうございます！あかん、スカラビア組で一番怒らせちゃいけないの、カリムだあ…ジャミルも怒らせちゃいけないんだけど(ｶﾞｸﾌﾞﾙ (2020年10月13日 9時) (レス) id: c3c1291a5b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 凄く良いですね。 (2020年10月12日 20時) (レス) id: dba8a79b51 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Licht-リヒト- | 作成日時：2020年9月10日 18時
