【スカラビア寮・カリム】-面影-※一人称(リクエスト作品) ページ18
※夢主さまside
私がカリム先輩を彼に重ねるようになったのは、ホリデーの時だった。
いつもは天真爛漫で明るくて元気だった先輩が、前触れもなく冷酷非道になってしまった。
まるで二重人格。
でも、それも全部ジャミル先輩のユニーク魔法によるものだった。
正直安心した。
同時に恐怖もなくなった。
……カリム先輩は、元の世界にいた恋人によく似ていたから。
彼も最初は明るくて優しかったけれど、いつからか冷たい人となってしまった。
まるで二重人格のように。
だから私はカリム先輩に彼を重ねてしまった。
「おーい！ A？ ボーっとしてどうしたんだ？」
頭上からかけられた声に顔を上げると、先程まで考えていたカリム先輩の姿が目に映る。
「カリム先輩っ！！？ 何でここにっ！」
私がいたのは放課後の中庭。
この時間は部活動に出ている生徒が大半な為、中庭は静かになれる場所だった。
それにグリムもエースたちに連れられてハーツラビュル寮に行ってしまった。
「お前の姿が見えたから声かけたんだ」
いつもと変わらない笑顔を向けてくれるカリム先輩。
その時、カリム先輩を捜しているであろうジャミル先輩の声が聞こえた。
焦りの表情を見せたカリム先輩は私を茂みへと連れて行く。
「静かにしてろよ？」
小声で囁いたカリム先輩は私を隠すように、抱き締める。
「全く……カリムの奴。どこに行ったんだ」
ジャミル先輩が遠ざかっていくと、カリム先輩も離れて行った。
「そろそろ行かないと長い説教が始まりそうだな。急に話しかけて悪かった、じゃあな！！」
そう言って駆けていくカリム先輩。
まるで台風のようだなと内心思う。
「あったかい人だな……」
私に残るカリム先輩の体温。
それが彼と同じ温かさで……私は痛む胸を押さえながらオンボロ寮へと帰った。-fin-
【スカラビア寮・ジャミル】-安心する存在-※三人称(リクエスト作品)→←【オクタヴィネル寮・アズール】-過去なんて-※三人称(リクエスト作品)
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Licht-リヒト-(プロフ) - ハイドさん» いえいえ！ ご希望に応えられたようで安心しました！ 「カリムって大切な人が傷つけられている場面を見ると、人格変わりそう……」と実際は分からないんですけど、そうだったら良いなぁと思いながら書いていました！ リクエストありがとうございます！ (2020年10月14日 13時) (
レス) id: dfd8bd8685 (このIDを非表示/違反報告)
Licht-リヒト-(プロフ) - ミリアさん» 出来ました！ こんな感じで大丈夫だったでしょうか？ (2020年10月14日 13時) (レス) id: dfd8bd8685 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - リクはトレイでお願いします。 (2020年10月13日 13時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
ハイド - Licht-リヒト-さん» リクエストに応えて頂き、ありがとうございます！あかん、スカラビア組で一番怒らせちゃいけないの、カリムだあ…ジャミルも怒らせちゃいけないんだけど(ｶﾞｸﾌﾞﾙ (2020年10月13日 9時) (レス) id: c3c1291a5b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 凄く良いですね。 (2020年10月12日 20時) (レス) id: dba8a79b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Licht-リヒト- | 作成日時：2020年9月10日 18時
