【オクタヴィネル寮・アズール】-過去なんて-※三人称(リクエスト作品) ページ17
オクタヴィネル寮のモストロ・ラウンジ、VIPルーム。
「それで、僕にご相談とは？ ポイントカードも貯めて頂いて嬉しい限りではありますが」
アズールはAと向かい合う形でソファに腰掛けていた。
Aは緊張した面持ちで、視線を下に向ける。
「ずいぶん大人しいですね。一体どうしたと言うんです？」
アズールは優しい声音で彼女に語り掛ける。
「先輩には……想いを寄せている方がいらっしゃいますか？」
微かに震えた声だったが勇気を振り絞ったA。
アズールは驚いたように目を見張るも、すぐに柔らかい笑みを浮かべた。
「そんな事ですか。想いを寄せている相手ならいますよ、一応」
「いるんですか……」
アズールの答えにAの胸は痛く脈打つ。
「ええ」
「どんな方なんですか？」
「そうですね……。彼女はお人好しで友の為なら、危険な所に自ら足を踏み入れる勇気の持ち主です。愚かとも言えますが、健気な姿にいつしか心惹かれていました。そして何より……彼女は僕の過去を知っても決して笑う事はなかった。逆に、努力していると褒めてくれた」
アズールは幸せそうに、嬉しそうに話す。
「そう、なんですね……。良い方ですね」
若干震えている彼女に目を向けたアズールは困ったように、呆れたように息を吐く。
「ここまで言ってまだ気付かないとは……。まぁそこが好きな部分でもあるんですけど。……そんな顔しないで下さい、僕が想いを寄せているのはあなたなんですから」
「え？」
Aが顔を上げてアズールを見ると、彼は頬を紅く染めていた。
それが嘘ではないと証明しているようにAには感じられた。
「だから、あなたが好きなんです……」
照れているのかアズールは眼鏡に指を当てる。
Aは驚きや嬉しさで、思わず涙をこぼしてしまう。
「泣かないで下さい」
アズールは立ち上がり、彼女の側に寄り添う。
「だって、嬉しくてっ……」
「不安にさせてしまいましたね。ですがご安心を、僕はAさんしか愛していないので」
アズールはそっとAの涙を指で拭う。
「私も、アズール先輩が好きですっ」
「知ってますよ」
Aとアズールは引き寄せられるように口付けを交わした。-fin-
【スカラビア寮・カリム】-面影-※一人称(リクエスト作品)→←【サバナクロー寮・レオナ】-植物園での癒し-※三人称(リクエスト作品)
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Licht-リヒト-(プロフ) - ハイドさん» いえいえ！ ご希望に応えられたようで安心しました！ 「カリムって大切な人が傷つけられている場面を見ると、人格変わりそう……」と実際は分からないんですけど、そうだったら良いなぁと思いながら書いていました！ リクエストありがとうございます！ (2020年10月14日 13時) (
レス) id: dfd8bd8685 (このIDを非表示/違反報告)
Licht-リヒト-(プロフ) - ミリアさん» 出来ました！ こんな感じで大丈夫だったでしょうか？ (2020年10月14日 13時) (レス) id: dfd8bd8685 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - リクはトレイでお願いします。 (2020年10月13日 13時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
ハイド - Licht-リヒト-さん» リクエストに応えて頂き、ありがとうございます！あかん、スカラビア組で一番怒らせちゃいけないの、カリムだあ…ジャミルも怒らせちゃいけないんだけど(ｶﾞｸﾌﾞﾙ (2020年10月13日 9時) (レス) id: c3c1291a5b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 凄く良いですね。 (2020年10月12日 20時) (レス) id: dba8a79b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Licht-リヒト- | 作成日時：2020年9月10日 18時
