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【ポムフィオーレ寮・ルーク】-射止めよう其の心-※三人称(リクエスト作品) ページ15

ナイトイレブンカレッジ・中庭。

放課後、ベンチに腰掛けるA。

「今日は良い天気だね、グリム」

Aは自分の膝で丸くなっているグリムの毛並みを撫でる。

「こういう日は眠くなるんだゾ」

「あはは、そうだね」

グリムは天候とか関係なく寝てるよねという言葉を押し殺してAは笑う。

「おや? こんな所で日向ぼっこかい?」

「ふなっ!?」

「なっ!? って……ルーク先輩じゃないですか」

気配もなく背後からかけられた声にグリムとAは立ち上がって、後ろを振り返る。

「驚かせるつもりじゃなかったんだけど、足音を消すのは癖になっていてね」

悪びれる様子もなくルークは笑う。

「もう……あれ、グリム?」

自分の腕の中にいたグリムがいない。

どこに行ったんだろうと辺りをAが見渡すと。

「A!! 助けてくれなんだゾ〜〜っ!」

ルークに尻尾を掴まれたグリムの姿が目に映った。

「暴れないでおくれ。逃げられると追いたくなる性分でね」

高らかにルークは笑うがグリムの顔は恐怖で歪んでいる。

「あ、えっと……グリムを離して頂けると嬉しいんですが」

「ウィ」

Aの申し出に快く応じたルークは、グリムの尻尾からパッと手を離す。

「フロイドより怖いんだゾーーー!!」

グリムはそう叫びながら全速力で逃げて行った。

「おやおや。相変わらずグリムくんの逃げ足には惚れ惚れするよ」

「あとで捜しに行かないと」

「だったら私に頼ると良い。探し物は得意なんだ、元はといえば私の責任でもあるからね」

そう言ってルークはAの側まで歩く。

「それじゃあ、お言葉に甘えてお願いします」

「ウィ、任せたまえ。……いつかはキミを手に入れたいけれどね、Aくん」

耳元でそう囁かれAは恥ずかしさで体が固まってしまう。

「え……ルーク先輩?」

「ふふ……林檎のように真っ赤だね。それじゃ、私はグリムくんを捜しに行くから大人しく待っているんだよ?」

手を振りながら去っていくルークの背中を見つめながらAは、高鳴っていく心臓に手を当てていた。-fin-

【サバナクロー寮・レオナ】-植物園での癒し-※三人称(リクエスト作品)→←【ディアソムニア寮・マレウス】-忘れたくなかった-※三人称



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Licht-リヒト-(プロフ) - ハイドさん» いえいえ! ご希望に応えられたようで安心しました! 「カリムって大切な人が傷つけられている場面を見ると、人格変わりそう……」と実際は分からないんですけど、そうだったら良いなぁと思いながら書いていました! リクエストありがとうございます! (2020年10月14日 13時) (レス) id: dfd8bd8685 (このIDを非表示/違反報告)
Licht-リヒト-(プロフ) - ミリアさん» 出来ました! こんな感じで大丈夫だったでしょうか? (2020年10月14日 13時) (レス) id: dfd8bd8685 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - リクはトレイでお願いします。 (2020年10月13日 13時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
ハイド - Licht-リヒト-さん» リクエストに応えて頂き、ありがとうございます!あかん、スカラビア組で一番怒らせちゃいけないの、カリムだあ…ジャミルも怒らせちゃいけないんだけど(ガクブル (2020年10月13日 9時) (レス) id: c3c1291a5b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 凄く良いですね。 (2020年10月12日 20時) (レス) id: dba8a79b51 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Licht-リヒト- | 作成日時:2020年9月10日 18時

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