【オクタヴィネル寮・フロイド】-願い星-※一人称(リクエスト作品) ページ32
フロイドside
星送り。
小エビちゃんが元の世界に帰ると同時に始まった行事。
「フロイド。願い事は決まりましたか？」
ジェイドは普段よりも優しい声でオレに話しかける。
「願っても……小エビちゃんが帰ってくるわけねーし」
オレは空を見つめる。
「確かに、星送りなど単なるお遊びだと僕も思います。ですが願う事で何か奇跡が起こる事もあります」
優しく語り掛けるジェイドの声に涙が込み上げる。
「……っ」
どうして……小エビちゃんが消えてから気づいてしまったんだ。
この気持ちに。
周りの奴らはオレを怖がるけど、小エビちゃんは優しい笑顔でいつも接してくれた。
小エビちゃんと過ごした日々が走馬灯のように蘇る。
「小エビちゃんにっ……会いたいっ」
「良く言えましたね」
ジェイドがオレの頭を撫でる。
そのせいで全然涙が止まらない。
瞬間、視界の隅で願い星が淡い光を放つ。
そして。
空から何かが降ってくる。
「え、小エビちゃん！！？」
オレは咄嗟に魔法で受け止める。
「フロイド先輩と、ジェイド先輩？」
ハッキリと聞こえる。
これは幻覚じゃない！
「小エビちゃん！！」
オレは彼女をきつく絞める。
手加減しながら。
触れる。
本当に……小エビちゃんが帰ってきてくれた。
「おやおや、本当に願いが叶ってしまいましたね」
嬉しそうに笑ったジェイドも小エビちゃんを抱き締める。
よく見たらジェイドも泣いてる。
珍しー。
「お帰りなさい、監督生さん」
「はいっ！」
オレたちは泣きながら笑っていた。
嬉し泣きって事かな。
「小エビちゃん。どうやって帰って来たの？」
「えっと……紐なしバンジーで海に飛び込んだら、ここに」
気まずそうに顔を逸らす小エビちゃん。
「バンジーとは、何なのですか？」
「高い所から飛び降りるスポーツ？ ですかね」
「それを紐なしで？ 命を絶とうとしたのですか？」
ジェイドの質問に小エビちゃんの顔色が変わった。
「率直に言えば、そうなります。元の世界に帰れたけど……ここでの生活が忘れられなかった。フロイド先輩に、会いたかったっ」
は？
オレに会いたくて、死のうとしたの？
「アハッ……小エビちゃんって本当に面白いね。オレも小エビちゃんに、会いたかった」
愛おしい気持ちが溢れ出てオレは小エビちゃんにキスをする。
その様子をジェイドが優しく見守ってくれていた。-fin-
【ディアソムニア寮・シルバー】-眠りし剣は-※一人称(リクエスト作品)→←【ディアソムニア寮・セベク&シルバー】-お前にだけは渡さない-※三人称(リクエスト作品)
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Licht-リヒト-(プロフ) - 雪華さん» リクエストありがとうございます！ 続編に書きましたのでリンク先からどうぞ！ (2020年9月10日 18時) (
レス) id: dfd8bd8685 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - リクはトレイで甘夢でお願いします。 (2020年9月9日 19時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - ケイトのお話とクロウリーのお話も良いですね！ (2020年9月9日 14時) (レス) id: c52f7f856a (このIDを非表示/違反報告)
Licht-リヒト-(プロフ) - 星猫さん» ケイトの話、こんな感じでいかがでしょうか？ (2020年9月9日 12時) (レス) id: dfd8bd8685 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - リクはケイトでお願いします。 (2020年9月9日 6時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Licht-リヒト- | 作成日時：2020年8月20日 22時
