TIMEtoWOLF＿3 (ページ37)

今日:10 hit、昨日:43 hit、合計:228,060 hit

137 ページ37

臣side

ほんとは休憩時間は好きにさせろって
無理矢理、出て来た俺。

何やってんだか…。笑

「もう寝たのかよ。笑」

幼い顔して寝息をたてるA。

「可愛い顔しやがって…」

Aの元彼が来てから
気になって心配で仕方ない。
それが兄貴としてたのか…
だいぶ昔に閉まった感情が原因なのかは
わかんねーけど。

ただこいつには傷付いて欲しくない
笑ってて欲しいと思ってるのは確か。

「無防備だなぁ〜仮にも男だぞ俺も」

長年、兄貴って言うポジションを
築きあげてきたのが幸をなしてこんなにも
無防備な姿を見せてくれてんだけどさ。

「着いたぞ？A？」

何度呼んでも起きない。
それだけ体調が悪ぃのか…。

仕方なく抱えて車を降りると
抱き着いて擦り寄ってくる。

「まじかよ…」

可愛いじゃんって思いと
勘弁してくれって思いが交差した。

『ん〜…』

「起きた？」

うっすら目が開いて俺と目が合ったから
聞いてみたんだけど
綺麗に頬んで…

『壱馬…』

壱馬を名前を呼ぶと更に抱き着いて来て
また眠るA。

「壱馬じゃねーよ…彼氏くらい区別しろ…」

もうすっかり壱馬なんだな？
起きてる時も寝てる時も…

さっきとは違う心から安心したような寝顔。

「壱馬ってすげーな…」

今のAにとって壱馬の存在が
どれだけか思い知らされて
さっきの分からない答えを

"兄貴として"

その一択に絞り直した。