TIMEtoWOLF＿2 (ページ35)

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楽しくもなんともない結婚式も
ボーッとしてるうちにいつの間にか
ブーケトスの前まで来ていた。

【Aちゃん久しぶり…】

「お母さん…」

話しかけて来たのは彼のお母さんだった。

【元気だった？】

「それなりに…」

【あの子もやっと結婚だって…】

「おばあちゃんになられるんですね？」

【やっと初孫よ。笑】

初孫…この人の中からもあの子の存在は
消えてるんだ…。

ゆう「母さん…初孫じゃないでしよ」

「ゆうくん…」

その時、キッパリ言ってくれたのは
彼の弟だった。

ゆう「天国にいる姉ちゃんの子が初孫でしょ」

【っ…】

ゆう「母さんは兄貴のとこ行けよ。」

この子は昔から姉ちゃん姉ちゃんって
ずっと唯一私の味方だった。
別れた後…謝ってくれたのもこの子だった。

「ありがとう…」

ゆう「姉ちゃん俺ね？結婚してパパになったんだよ？だから今度、甥っ子に会ってよ」

「私はもう姉ちゃんじゃ…」

ゆう「姉ちゃんはずっと俺の姉ちゃんでしょ。変わんないよ姉ちゃんは1人だよ。」

「ゆうくん…変わらないね…」

変わらないゆうくんの優しさに
泣きそうになった。

ゆう「俺は姉ちゃん以外認めないから。」

「ごめんね…お姉ちゃんになれなくて…」

ゆう「兄貴がごめんな…姉ちゃん…ちゃんと幸せになって…？」

「うん…。」