幸ひすむと人のいふ…☆ (ページ7)

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『楽勝だろ？』

なーんてタカをくくってたんだけど

話を聞いてみるとその王子ってのは

どうやらおれとは全くの正反対…

ショウくんが言うには

『文武両道で才色兼備、アグレッシブで
超のつくほどナルシスト。』

なんだって。

まあ要するに、自分大好きで

女にモテモテの遊び人ではあるものの

頭も良くって政治とかやるべきことはちゃんとやって

王の代わりもしっかりこなしてるし

しかも剣の達人でケンカも強いから

誰もなんにも言えないんだって！

って、マジかよ！？

｢ふーん…そんなスゴイ人なら
もうその王子が王様になっちゃえばいいんじゃん？｣

｢しっ！…城内でそのことを口に出してはなりません。
誰がどこで耳を欹(そばだ)てているかわかりませんからね。
特にあなたは王子と瓜二つ…
あなたの言葉は王子の言葉と受け取られるでしょう。
そのあなたからそのような言葉が出たとわかったら…｣

｢わ、わかったら…？｣

｢どうかご無事で……｣

｢なんだよそれ！！？｣

｢この部屋は特にセキュリティを厳重にしてあるので
その心配はないと思いますが……
でもまあ本当のところ、そう言う者も少なくはないのです。｣

｢だろ？だって普通誰だってそう思うだろ？｣

｢ですが、王子は王の座には全くご興味がないのです。｣

｢へぇ～…なんで？｣

｢さぁ…私にも王子の真のお心までは分かりかねますが…
やはりマサキ様へのご配慮なのではないかと…｣

｢ごはいりょ？｣

｢はい…お2人は異母兄弟ではありますが
それはそれは仲のよいご兄弟でいらっしゃって…｣

ショウ…

あ、これからのためにそう呼ぶようにいわれたんだけどね

ショウの話は

権力だなんだってのに全く疎いおれには

半分もわかんなかった。

でも2人が仲のいい兄弟で

王子が兄上(これもそう呼べといわれた)に

心から忠誠を誓ってるってのはよく分かった。

王子だの王様だのってぇのは

なんかいろいろと大変なんだな。

はぁ～…

そんな人の代わりがおれにつとまんのかね？

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