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早く戻らなきゃ…
そう思いながら、全部忘れなきゃいけないことに
少しさびしくなる……
だって、短い間だったけど
すげぇ色んなことがあったから……
｢あとどれくらい猶予がある？｣
｢この状態ですと3時間が限度かと…｣
｢3時間もあれば十分だろう。｣
ショウと部下とのそんなやり取りを聞きながら
おれはフクザツな気持ちを持て余していた。
そんなオレに気付いてショウが声をかける。
｢大丈夫ですか？｣
｢ああ、うん、まあな……｣
｢そういえば先程、何か言いかけましたね？｣
｢ん？いや…もういいや。
元の世界に帰れんなら問題ない。｣
｢そうですか…
ではそろそろ消去に取り掛かりますのでご準備を。｣
｢ん…わかった。
あ！…ねぇ、それってやったらすぐに全部忘れちゃうの？｣
｢ええ…ですので眠った状態で行います。
そしてそのまま、転移装置で元の世界に戻るので
目覚めた時は、元の世界で
何も覚えていない状態で目覚めます。｣
｢そっか…そしたらさ、ちょっとおれに時間くれない？｣
｢時間…ですか？
何をなさるおつもりで？｣
｢ん？ちょっとみんなに別れのあいさつしてくるよ。｣
｢……そうですか…では30分差し上げます。
ですがくれぐれもそれ以上遅くなりませんよう…｣
｢ん、わかった…サンキュ！｣
『…ですが宰相殿、もうあまり残された時間は…』
『いい、大丈夫だ、心配するな。
智はちゃんと戻ってくる。』
おれが出ていく後ろで、そんなやり取りが聞こえた。
ああ見えて、ショウも案外いい奴だったのかもな。
思い返してもあんまいい思い出ないけど……
そしてその足で、おれは城の中庭に向かった。
｢J！｣
誰もいない中庭で、ひとり考え事してるJがいた。
そんな姿もやっぱりスタイリッシュだ。
｢これはサトシ王子…この度は…｣
｢そんなのいいからさ！
つーかお前とっくに知ってたんだろ？
その、おれが……｣
｢ええ、まあ…｣
｢じゃあ話が早いな。
もうすぐ、本物の王子が帰ってくる。｣
｢え？ということは…｣
｢そ、おれもう帰んの。｣
｢そうでしたか。｣
｢でさ、余計なお世話だけど
おれ、お前にいっときたいことがあんだよ。｣
｢なんでしょう？｣
Jは不思議そうな顔をしておれを見る
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