43 ページ43
.
頂小屋のまわりだけは
少し平らにならされている。
さっきの合図で、小屋まで続く砂利道を
出来るだけ音をたてないようにして近づく。
反対側からJ達も近づいているのが見える。
おれたちはドアの前まで来ると
中の様子を伺った。
男達の話し声がする。
そのままドア脇に身を潜めると
小屋の反対側に着いたJが
指で突入の合図を送ってきた。
"ガシャーン!!"
大きな音が聞こえて
反対側の窓からJ達が部屋になだれ込む。
『うわっ!しまった!』
『奇襲だ!剣を!剣を取れ!』
『くそっ!ニセモノめ!』
『王女を!王女を連れ出せ!!』
『ジェ、
『なぜ将軍がここに!?』
『うっうわぁー!』
『ぎゃぁーー!!』
中が騒然としたとみるや
軍人Aがこちら側のドアを蹴破りそのまま突入した。
それに続いておれも中に入る。
Jは剣さばきもすごかった。
もちろんおれも
ここぞとばかりにサトシが現れてくれたお蔭で
バッタバッタとなぎ倒し…
ってほどじゃないけど、けっこうがんばった!
「カズ!!」
目を向けた先には古ぼけたベッドがあって
カズはそこに横たわっていた。
「…カズ!」
「ご心配いりません。
ただ眠らされているだけのようです。」
「そっか、よかった……」
そのどこかあどけない寝顔に
おれの中のサトシも心底ホッとしたみたいだった。
そこにいた男達は全部で9人。
その全員が捕えられ、縄みたいなハイテクで縛り上げられた。
男達はみんなMJ団の奴らだった。
それにしてもさ……
こいつら、油断しすぎじゃね?
自分たちから来いっていっといて
見張りも立てずに『奇襲だ!』って、ねぇ?
来いっていわれたんだから、そりゃ来るよ。
それは上官であるJも思ったみたいで…
「お前ら、よくもこのオレを…
いや、王と王国を裏切ってくれたな!
しかもなんだそのザマは!!
やすやすと敵の奇襲を受け、その無様なまでの慌てよう…
お前らの様な者を精鋭だと思っていた自分が口惜しいわ!」
「くっ……」
「ですが我らMJ団は
決して王と王国を裏切ってはおりません!」
「我らが企ては全ては将軍の御為…」
「なんだと?!」
今回の首謀者らしき男2人が意外なことを言った。
.
42人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ