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Jの選んだ軍の精鋭は10人
2人がやられ、残る8人とおれたちで
さらに山を登っていく。
途中にはいろんな罠が仕掛けてあって
ある者はロープに足を取られて
岩の間に宙づりになったり…
ある者は石につまづいたかと思ったら
飛んできた矢で足をケガして動けなくなったり…
ある者は潜んでた巨大グモの吐いた糸に
グルグル巻きにされたり…
こいつらホントに精鋭なのかよ？
って思わず疑いたくなっちゃうような有様で
その度にJは頭を抱えてた。
そんなこんなで
もうすぐ頂上というところまで来た時には
おれとJと残った軍人2人だけになってた。
｢お前の精鋭たち、大したモンだな。｣
｢私の不徳の致すところ……
私が夢にうつつを抜かしている間に
士気が鈍っていたようです。
この任務を終えたら、直ちに鍛え直さねば……｣
｢じゃあお前、夢はあきらめんの？｣
｢それはそれ、これはこれです。
戯曲の件は王子や宰相殿に知られた以上
もう隠し立てするつもりはありません。
ですが王より与えられた任を疎かにする気も毛頭ありません。｣
JはこっちでもやっぱりJなんだな。
やると決めたら手を抜かないんだ。
｢王子、あの先を越えると王女のいるはずの頂小屋がみえます。
が、このまま突っ込めば奴らに丸見えで
著しく形勢不利です。｣
｢…では、どうする？｣
｢ここは、私と部下1名とであちら側の崖を登り
小屋の裏側に回り込もうと思います。｣
｢できるのか？｣
｢お任せを。
王子はそれまでにあの岩の裏まで進んでいてください。｣
Jは頂上の手前、道の脇にある大きな岩を指さした。
｢王女が閉じ込められているとすればたぶんここかここ…
我々が裏側から奇襲をかけ中の者たちの注意を引きます。
その隙に王女を助けて出してください。
｢よし、わかった。｣
｢では、あちらに回り込んだのち突入の合図を送ります。
お前は何があっても王子と王女をお守りしろ！いいな！｣
｢はっ！！｣
残されたもう1人の部下にそういうと
Jは道もない岩山を器用に登って行った。
J達の姿が岩陰に消えたのを見てから
おれたちも先へと進んだ。
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