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｢フゥ。。。
王子、いいですか？
カズ様はその美しさ、可憐さ故に
近隣諸国の王子が是非我が妃にと望まれる方なのですよ？｣
｢へぇ〜…｣
｢加えて彼の国は豊富な地下資源に恵まれ
アラシウムの一大産出国でもある豊かな国。
仮にあの方がブサ…もとい、残念な容姿だったとしても
間違いなく引く手
選びたい放題だったはずなのです。｣
なんかサラッと失礼なこといってんな、コイツ…
まあ実際の王女は全然残念なんかじゃないけどさ。
｢もちろん、我が国としても彼の国と手を組むことができれば
並ぶものの無い富を後ろ盾に
今以上に強大な力を手に入れることができるのです。｣
｢そのための政略結婚ってことか。
2人ともかわいそうに…｣
｢…ですがそのカズ様を是非にと望んだのは
他ならぬサトシ王子なのです。
それはもう強引なほどに、なんとしても我が妃にと
あの手この手を尽くしました。｣
｢へぇ…じゃあ王子自身が政略結婚たくらんだってこと？｣
｢いえ、政略結婚という訳ではありません。
……実は…これはまだお話していませんでしたが
カズ様は……王子の初恋の方なのです。｣
｢ふーん…。。。。。
って工ｴｴｪｪーーーーッｯ！！！
マジかっ！？｣
｢カズ様は憶えていらっしゃいませんでしたが
あの方が我が国にいらしたのは
今回が初めてではないのです。
マサキ様によればカズ様が6歳、王子が8歳の時だったそうです。｣
｢8歳の初恋を…今まで…？
だって王子ってモテモテだったんだろ？
そんな子供の時の初恋なんて
ふつう時間がたてば忘れちゃうもんじゃない？｣
｢そうですね。
子供の淡い初恋のままならいつかは思い出に変わり
消えていたかもしれません。
ですが…｣
｢…ですが？｣
｢王子は見てしまったのです。
美しく可憐にご成長されたカズ様を…｣
｢え？でもカズはさっきはじめましてって…｣
｢…カズ？｣
あ、ヤベ…
つい呼び捨てにしちゃったよ。
ニノのこともたまに『カズ』って呼ぶことあるから、つい…
｢まあいいでしょう。
王子もカズ様のことを話される時は
そうお呼びになる…｣
すんげぇニラまれたけど
とりあえずOKだったみたい……
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