23 ページ23
.
｢あ〜ぁ…｣
夜、なんか寝れなくて
また庭をプラプラしてた。
体はまだ少しダルくて
眠くないわけじゃないんだけど…
けど、寝たらまた、あの夢見ちゃいそうで…
怖いような、恥ずかしいような
それでいて続きが見たいような…///
なんかよくわかんない気持ちがぐるぐるして…
部屋でじっとしてらんなくなって
思わずまた出て来ちゃってた。
またあのでっかい石、ミラクルストーンだっけ？
とかいうヤツのとこまで来て
その上にゴロンと横になった。
ミラクルだかなんだかしんねーけど
こいつ、ゴロ寝するのにちょうどいいんだよな。
見あげた空には、まん丸の月。
｢♪まぁっしろな月みあげぇて…｣
思わず歌を口ずさむ。
でも、気がつくと唇に手をやってる…///
夢だったはずなのに
今もはっきり思い出せるあの柔らかな感触に
おれの心臓はまたドキドキし始める……
あれは、王女のカッコしてたけど
王女じゃなかった。
あれは…
おれのよく知る人だ……
｢♪キミをまもりたぁいよぉ…｣
そういやニノ……
今、どうしてんのかな？……
いやいや、それよりも！
アッチのおれ、どうしてんだろ？
おれがココにいるってことは
サトシがアッチにいるってことだよな？
やっぱニノに寄っかかられてたりすんのかな？
ケツ揉まれたりしてんのかな？
指絡めたり…してんの、かな……
｢…！？｣
チクンと胸が痛む。
え？どうして？なんで？……
｢王子？…ですか？｣
え？！ニノ？！
なんで？どうして……？！
｢あ、ごめんなさい、またお邪魔しちゃって…
あの、キレイな歌声が聞こえてきたものですから…｣
ビックリした…ニノかと思った…
ニノのこと、考えてたから……
｢……あ、ううん、だ、大丈夫！
キ、キミこそこんな時間にどしたの？｣
｢ウフフ…なんだか落ち着かなくって…
ひとりになりたくて、侍女の目を盗んで抜け出してきました。
そうしたら歌声が聞こえてきて…｣
｢そっか…｣
｢…王子は？｣
｢おれ？おれは、その、ちょっと昼にいろいろあって…//
なんか寝れなくてさ…｣
おれの胸に訪れた不可解な痛みは
カズの訪れによってどっかにかき消された。
それにしても、やっぱよく似てる。
似てるなんてもんじゃ…ねぇよな……
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 42人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
