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そんな別れがあった日の夕刻、戻ってきた高専で、久しぶりに五条くんの顔を見た。

諦めと決心、その2つが入り交じった表情で歩いていたものだから、話しかけようにもなんと言おうか悩む。
すると向こうが私に気づき、名前を呼ばれた。


「A」


「…久しぶり、五条くん」


「お前…」


ハッとした顔で、途端に腕を掴まれた。急な行動に驚いていると少し怒ったように言われる。


「無理してんじゃねぇよ」


「無理…?」


「腕、痩せすぎ。棒だぜこんなの」


五条くんはどうやら、体調管理がなっていない私に怒っていたらしい。あんなことがあった後なのに、心配されて安堵するような嬉しさを感じてしまって、自分が嫌になる。


「…ごめんね、ちゃんと戻す」


「ん。…お前、傑に会った?」


「げ、とう、くん?」


あまりにもな話題に、目を合わせることが出来なかった。声色からして、五条くんも夏油くんに会ったのだろう。そして、追うことが出来なかった。五条くんは、夏油くんを誰よりも信頼していたから。だから出来なかった。


「そ、傑。…その様子じゃ会ったんだな。なんか言ってた?」


「…もっと、成長しろって」


「なんだそれ。…マジでアイツ、意味わかんねーよな」


「…うん」


意味わかんねー、で、終わらせて良かったのだろうか。
いや、終わってなんかいない。きっと五条くんの中では終わっていない。夏油くんを呪詛師にさせたままで終わるような人じゃないし、2人はそんな浅い関係でもないのだ。

では、五条くんという人間がこの経験を経て行き着く場所は、一体どんなところなのだろうか。


「A」


「…なに?」


「俺はもう、2度と誰も独りにしない」


「…」


五条くんからそんな言葉が出てきたのが意外で、思わず黙りこくる。と、同時に、凄く彼らしいとも思った。

五条くんは、自分が「独りにされた」とは考えないのだ。“自分”が“夏油くん”を「独りにしてしまった」という、あまりにも美しい自己犠牲の思考で、未来を見据えている。

そんな五条くんは眩しいほど高潔に見える。自分と見比べると、あまりにもみすぼらしい。

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設定タグ:五条悟 , 呪術廻戦
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作者(プロフ) - 那奈さん» ありがとうございます😌私生活との兼ね合いもあり更新ペースが下がっていました💦頑張ってこれからも書いていくので、よろしくお願いいたします☺️ (4月22日 21時) (レス) id: 4fb250efc4 (このIDを非表示/違反報告)
那奈 - とっても素敵な作品だと思いました。難しいとは思いますが、更新してくださると嬉しいです。 (4月22日 8時) (レス) @page37 id: 3264f93205 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 栗ここなさん» ありがとうございます😭試行錯誤しながら書いている作品なので、作者冥利に尽きます☺️これからもぜひお楽しみください😌 (3月27日 18時) (レス) id: b4c68f46cc (このIDを非表示/違反報告)
栗ここな(プロフ) - このシリーズ本当に好きです!続きをいつも楽しみにしてます🥰 (3月25日 21時) (レス) id: c0504a419b (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - メルさん» ありがとうございます☺️こちらでもコメントしていただけて本当に嬉しいです😭頑張って書こう!という気持ちになれます🙇‍♀️これからも応援よろしくお願いします! (3月19日 13時) (レス) id: b4c68f46cc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者 | 作成日時:2024年3月18日 16時

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