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「(…わたし、なにがしたいんだっけ)」
夏の終わり、それが分からなくなった。
プツンと息が切れたような感覚。でも不思議と身体は動く。全ては思考を止めたせい。
どうでも良くなって、機械のように働く日々。おばあちゃんのところにも通えなくなった。ソルフェージュを教えてくれる先生のところにも、ピアノを教えてくれる先生のところにも、大学の講習会にも、行けなくなった。
課題曲としてよく扱われるイタリア歌曲は、技術はもちろん歌い手の感情表現が重要視されている。今の私が歌ったところで、大学合格レベルどころか、趣味のものより酷い出来になるだろう。
歌う資格が無いと思った。努力できない私に、音楽家になる資格は無い。
ただ呪いを、祓って、祓って祓って、死んだように眠る。思い出したように食事をする。生きていく上での最低限を両手に抱えて、必死に、それだけはこぼれ落ちないように。
そんな私の異変に、最初に気がついたのは硝子ちゃんだった。
「痩せすぎ」
そう一言発した後、強く手を握られて戸惑う。利き手を封じられ、怒ったような表情で私を見ていた。
「ちゃんと食べてないでしょ。昨日は何食べたの」
「…覚えてない」
「本当は？」
「……ゼリーを、少し」
私の返答に、硝子ちゃんはため息をこぼす。叱られている感覚に身体が強ばった。ごめんなさい、と呟けば、「怒ってないけど、別に」と吐き捨てられる。
「少し休みなよ。繁忙期にこれ以上倒れられても困るし」
「大丈夫、まだ私できるよ、呪い、祓うから」
「できない。今のAには無理。それ以上働いたらそれこそ、歌えなくなるけど、いいの？」
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作者(プロフ) - 那奈さん» ありがとうございます😌私生活との兼ね合いもあり更新ペースが下がっていました💦頑張ってこれからも書いていくので、よろしくお願いいたします☺️ (4月22日 21時) (
レス) id: 4fb250efc4 (このIDを非表示/違反報告)
那奈 - とっても素敵な作品だと思いました。難しいとは思いますが、更新してくださると嬉しいです。 (4月22日 8時) (レス) @page37 id: 3264f93205 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 栗ここなさん» ありがとうございます😭試行錯誤しながら書いている作品なので、作者冥利に尽きます☺️これからもぜひお楽しみください😌 (3月27日 18時) (レス) id: b4c68f46cc (このIDを非表示/違反報告)
栗ここな(プロフ) - このシリーズ本当に好きです！続きをいつも楽しみにしてます🥰 (3月25日 21時) (レス) id: c0504a419b (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - メルさん» ありがとうございます☺️こちらでもコメントしていただけて本当に嬉しいです😭頑張って書こう！という気持ちになれます🙇♀️これからも応援よろしくお願いします！ (3月19日 13時) (レス) id: b4c68f46cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2024年3月18日 16時
