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「…んじゃ正直サイテーな質問するけど、アンタの言う好きな人ってぶっちゃけどんなヤツ?」
自嘲気味にそう尋ねると、AAはまた驚いた顔をして、今度は微笑まなかった。纏う雰囲気は暗いものになり、「やっちまった」と少し後悔。でも聞けてよかった、とも思ってる。
「そうだなぁ…どんな人、って言われると難しいし、たぶん好きすぎて色々話しちゃうかも」
「別に長くていいから」
「そう?…うーん、凄く変な人なんだよね」
そう言って、AAは困ったように笑った。
「まず、日常的に目を隠してるの」
「…は?」
「それでね、身長は190センチ以上あって、不審者かコスプレみたいな見た目でね?」
「いや、え、は?」
「でも目隠しを外すと綺麗な顔してるんだ。私、初めて見た時は本当にびっくりしたんだよ。こんな美形なかなかいないなぁってぐらいには格好よくて」
音楽の話をする時と同じく、饒舌に語り始めたAA。待てって、そんなヤツいんのかよ。
「大丈夫?着いてこれてる?」
「いや全然。ステーキの味しなくなったんだけど」
「あはは!ちゃんと聞いててよね。君が聞いたんでしょ」
意地悪そうな表情で、挑戦的にそう言われた。呆気に取られている俺に構うことなく話は続く。
「それでね、実は結構ろくでなしで、ちょっと下品で、どうしようもない人なの」
「それ、嫌いなヤツの話?」
「まさか。大好きな人の話」
ただの悪口にしか聞こえない。
そんなヤツを好きになるコイツの気が知れないし、仮にもその好きな人と俺が似ているとしたら、正直不名誉にも程がある。
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作者(プロフ) - 那奈さん» ありがとうございます😌私生活との兼ね合いもあり更新ペースが下がっていました💦頑張ってこれからも書いていくので、よろしくお願いいたします☺️ (4月22日 21時) (レス) id: 4fb250efc4 (このIDを非表示/違反報告)
那奈 - とっても素敵な作品だと思いました。難しいとは思いますが、更新してくださると嬉しいです。 (4月22日 8時) (レス) @page37 id: 3264f93205 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 栗ここなさん» ありがとうございます😭試行錯誤しながら書いている作品なので、作者冥利に尽きます☺️これからもぜひお楽しみください😌 (3月27日 18時) (レス) id: b4c68f46cc (このIDを非表示/違反報告)
栗ここな(プロフ) - このシリーズ本当に好きです!続きをいつも楽しみにしてます🥰 (3月25日 21時) (レス) id: c0504a419b (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - メルさん» ありがとうございます☺️こちらでもコメントしていただけて本当に嬉しいです😭頑張って書こう!という気持ちになれます🙇♀️これからも応援よろしくお願いします! (3月19日 13時) (レス) id: b4c68f46cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2024年3月18日 16時