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｢いや、ガキかよ俺は｣
｢？何の話？｣
｢…んでもねぇ｣
その日の午後は傑とネタ合わせをするためにファミレスで話していた。独り言をつい呟いて、傑には変な顔で見られる。
まだしばらく先だけど、大学でのイベントでネタを披露する機会があった。そういうチャンスは片っ端から掴んでいくスタイルの俺らが、特に重要視しているイベントだ。
何度だって打ち合わせして、いいものにしたい。
それなのに今朝の一瞬の出来事に気を取られてちゃ、芸人なんて夢のまた夢で。
｢なんか今日は集中出来てないよね。なんかあった？｣
｢マジでなんもねぇよ、いつも通り｣
｢ちょっと面白そうな顔してるから話して、親友だろ私達｣
｢お前ほんっと、都合のいい時に親友とか言うよな｣
傑は善良な人間に見えて、かなり腹黒く、性格が悪い。いや、もちろん一定の正義感はある。ただ、倫理観さえ守られていれば平気で人の弱点を弄ってくるヤツだ。
｢心外だな。なに、Aさんの話？｣
｢っご、げほっ｣
｢え、当たった？｣
傑はAAと出会ったあの日から、何かとアイツが気に入ったようで、たまに｢どうなの？｣などと聞いてきた。恐らく恋愛感情では無い。傑の好みのタイプからは外れているし。
嬉しそうに笑う相方をジロリと睨みつける。
｢お前マジで…｣
｢なに、なんか謎が解けた？怪しいよねあの人｣
｢なんも分かんねぇよ。私生活も分かんねぇ｣
｢ほんとに一緒に暮らしてる？｣
｢だーかーら、マジで帰ってこねぇんだってアイツ。大家みてぇなもん｣
｢ヒモになりさがったねぇ悟。いつ見切られるか分からないから、早く売れようね｣
｢うっせ｣
こういう時の傑は結構ウザイ。別にそういうんじゃないと再三言っているのに、まだこんなことをボヤいている。
｢ほんと、あしながおじさんには感謝しないと。今の時代、学歴も重要視されるし。君が退学にならずに済んで良かった｣
AAの動機がどうであれ、それは確かに傑の言う通りだ。恩恵を受けつつ、アイツの気が変わらないうちに芸人としての生計を立てたい。そもそも、目の前で吐くような醜態を見せた時には｢ヤバい｣と思ったし、俺とアイツの好きな人が似ているっつったって限度はある。
｢(…好きな人、ね。そんなやつがいんなら、あんな風に笑うなよ。期待させんな)｣
｢たとえソイツが、お前を置いて死んだんだとしても｣とは、口が裂けても言えない。
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作者(プロフ) - 那奈さん» ありがとうございます😌私生活との兼ね合いもあり更新ペースが下がっていました💦頑張ってこれからも書いていくので、よろしくお願いいたします☺️ (4月22日 21時) (
レス) id: 4fb250efc4 (このIDを非表示/違反報告)
那奈 - とっても素敵な作品だと思いました。難しいとは思いますが、更新してくださると嬉しいです。 (4月22日 8時) (レス) @page37 id: 3264f93205 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 栗ここなさん» ありがとうございます😭試行錯誤しながら書いている作品なので、作者冥利に尽きます☺️これからもぜひお楽しみください😌 (3月27日 18時) (レス) id: b4c68f46cc (このIDを非表示/違反報告)
栗ここな(プロフ) - このシリーズ本当に好きです！続きをいつも楽しみにしてます🥰 (3月25日 21時) (レス) id: c0504a419b (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - メルさん» ありがとうございます☺️こちらでもコメントしていただけて本当に嬉しいです😭頑張って書こう！という気持ちになれます🙇♀️これからも応援よろしくお願いします！ (3月19日 13時) (レス) id: b4c68f46cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2024年3月18日 16時
