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すっかり期限を損ねてしまったAAに、なんとか質問を続ける。
「んじゃ、出身は?」
「出身?…さぁ、孤児だからわかんない」
「…じゃあ呪術師ってなったのいつ?」
「12、3歳じゃないかな、たしか。高専に駆け込んだのがそれぐらい」
「それって結構早くね?中学行かなかったってこと?」
「そうなるね。高校も呪術高専だし…
というか、なんかインタビューになってない?」
「だって俺、お前のことなんも知らねぇから」
勢いでつい本音が出た。
今更誤魔化しも効かない。
熱を持ち始める頬のことは無視して、沈黙の中、AAを見据える。
AAは俺の発言に驚いたように目を見開き、それから数回瞬きをした。そして伏し目がちになった後、柔らかく微笑む。
「音楽のことも私のことも、君は知りたいことがいっぱいあるんだね」
「…」
「私はそれが凄く嬉しい。私でよければなんでも聞いてよ。知ってることとか言えることなら、なんでも話すから」
「…じゃあ───」
お前の好きな人ってどんなヤツ?
もしかして俺と似てる?
いつ死んだの?
とは、さすがに聞けない。たぶん、聞いたら話してくれるのがコイツだ。でも俺はそれを聞くのに相応しくない。そんな関係性じゃない。
「じゃあ、なに?」
「……いや、別に」
「それは何かある顔でしょ、あはは。気になるからちゃんと聞いて、ね?」
あーあ、お前がそういうこと言うから、俺がどんどんノンデリになって、遠慮なくお前のテリトリーを土足で踏み込むのに。
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作者(プロフ) - 那奈さん» ありがとうございます😌私生活との兼ね合いもあり更新ペースが下がっていました💦頑張ってこれからも書いていくので、よろしくお願いいたします☺️ (4月22日 21時) (レス) id: 4fb250efc4 (このIDを非表示/違反報告)
那奈 - とっても素敵な作品だと思いました。難しいとは思いますが、更新してくださると嬉しいです。 (4月22日 8時) (レス) @page37 id: 3264f93205 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 栗ここなさん» ありがとうございます😭試行錯誤しながら書いている作品なので、作者冥利に尽きます☺️これからもぜひお楽しみください😌 (3月27日 18時) (レス) id: b4c68f46cc (このIDを非表示/違反報告)
栗ここな(プロフ) - このシリーズ本当に好きです!続きをいつも楽しみにしてます🥰 (3月25日 21時) (レス) id: c0504a419b (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - メルさん» ありがとうございます☺️こちらでもコメントしていただけて本当に嬉しいです😭頑張って書こう!という気持ちになれます🙇♀️これからも応援よろしくお願いします! (3月19日 13時) (レス) id: b4c68f46cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2024年3月18日 16時