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「(五条くんって、こんな気持ちだったのかな)」
…いやどうだろう。彼にここまでの感情があったかは疑問だ。
でも、君は今の私ぐらい忙しかったはずだし、本当は高専に寄らずに任務に行けたよね。でもわざわざ生徒達の様子を見るために高専に寄って、生徒達と戯れて、先生として指導してた。
夏油傑がいなくなったあと、先生になった五条悟。その真意が読めないほど私は鈍感じゃない。彼は彼の元を去った1人の親友がきっかけで先生を始めた。
私はそんなことをしちゃう五条悟がちょっぴり怖かった。いくらなんでも執着しすぎなのでは、と。
でも私に言えたことじゃないというのが分かってきて。
なんか、自分は29歳まできっと死なないから、他のみんなの死ぬ可能性の方が、よっぽど高くて。今世の五条悟だって例外じゃなくて。
そんな私が、前世の五条くんが、自分以外の誰かを見守る気持ちはきっとこんな感じ。
最強は確かに孤独では無いし寂しくもないけど、あんまりにも深い関係を築いてしまったら最後、失った時に出来た穴は二度と塞がらない。
五条悟は、“もう誰も独りにさせない”って、言ってた。
“傑と自分は独りになった”って、思ってたんだよな。
そう考えると、私も硝子ちゃんも報われないものだ。
結局、恋人だった私も、夏油傑という穴は埋めるに値しなくて。五条くんも、埋める気はなかった。それよりはむしろ、私が離れていくことによって出来る孤独を嫌ったから、私を引き止めた。
逆に、自分がいなくなった後の私の気持ち、少しは考えてくれていたのだろうか。どうだろう、五条くんだからなぁ。
「(いい加減なひとだもんね、きみは)」
そんな性格は今世で少しマシになったように見える。
今世の五条悟は仕事をしっかりこなすし、態度は悪いけどお願いには応えてくれる。ハウスキーパーとしての役割は失礼だがそんなに期待していなかったけど、今じゃすっかり頼りにしていた。
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作者(プロフ) - 那奈さん» ありがとうございます😌私生活との兼ね合いもあり更新ペースが下がっていました💦頑張ってこれからも書いていくので、よろしくお願いいたします☺️ (4月22日 21時) (レス) id: 4fb250efc4 (このIDを非表示/違反報告)
那奈 - とっても素敵な作品だと思いました。難しいとは思いますが、更新してくださると嬉しいです。 (4月22日 8時) (レス) @page37 id: 3264f93205 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 栗ここなさん» ありがとうございます😭試行錯誤しながら書いている作品なので、作者冥利に尽きます☺️これからもぜひお楽しみください😌 (3月27日 18時) (レス) id: b4c68f46cc (このIDを非表示/違反報告)
栗ここな(プロフ) - このシリーズ本当に好きです!続きをいつも楽しみにしてます🥰 (3月25日 21時) (レス) id: c0504a419b (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - メルさん» ありがとうございます☺️こちらでもコメントしていただけて本当に嬉しいです😭頑張って書こう!という気持ちになれます🙇♀️これからも応援よろしくお願いします! (3月19日 13時) (レス) id: b4c68f46cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2024年3月18日 16時