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「(…AAって、流石にそういう相手とかいねぇ、よな?)」
ふと浮かんだ疑問。いや、自分の生活の場に男1人住まわしてんだから、いたらマズイだろ、俺が。だからたぶん、彼氏とか旦那とかそういうのはいない。たぶん。
あんだけ忙しそうならそもそも相手にする暇すらなさそうだしな。
じゃあ、出張ばっかだし、現地妻ならぬ現地夫とか…いやそういうのやるタイプには到底見えな、くもない、ような。
なんか、来る者拒まず去るもの追わずっぽい気がする。いや、じゃあ“そういう”お友達いるじゃねぇかバカ。ビッチ。クソ女。
てか、そもそもその手の欲とかあんの?アイツ。男と同じ家に住んでケロッとしてるっつーことはないのか…てか好きな人に似てる男が住んでてこれなら、ないっつーこと?
それじゃ“好きな人”の定義が破綻するくね?好きになった時点で欲はあるわけだし。
単に、俺が眼中に無いって可能性もなくもないけど。
「悟〜、7分遅刻。そろそろ時間を守って行動し…なんでそんなしかめっ面?」
「っうわ、ビビった」
「え、私目の前から来たんだけど」
気付かぬうちに、待ち合わせ場所に着いていたらしい。ナンパ女も撒けたようで、もう姿は見当たらない。傑は怪訝な顔をして俺を見ていた。
今思えば、思春期の中学生みてぇな妄想繰り広げていた気がする。うわ、マジでナイ。キモすぎ。
「…どうしたの悟、今度は変な顔して」
「なんでも、ない。マジで」
「…ふーん?」
最悪だ。最低で最悪。いやでも、大事だろ。同居人のことを知っとくのは。
だって、俺、なんも知らなくて。数ヶ月一緒にいてやっと1つ、アイツの好きなものを知って、でもまだ謎だらけで。
漠然と、気になる。
知らなくちゃ、なんて使命感まで出てきた。
そう、知らなくちゃなんなかったはずなんだ。
俺が見ないふりをしてきたところを、今度はちゃんと知ろうって。
今度はちゃんと、アイツの好きなものを肯定して、向き合うべきだって。
お前から奪った全てを、返してやりたいって。
「(…なんだ、今の思考。怖)」
頭の中で勝手に流れた言葉に恐怖を感じる。別にアイツと出会ってから、見ないふりも、否定も、奪いもしたことがないのに、こんな冤罪。
冤罪、だよな。
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作者(プロフ) - 那奈さん» ありがとうございます😌私生活との兼ね合いもあり更新ペースが下がっていました💦頑張ってこれからも書いていくので、よろしくお願いいたします☺️ (4月22日 21時) (レス) id: 4fb250efc4 (このIDを非表示/違反報告)
那奈 - とっても素敵な作品だと思いました。難しいとは思いますが、更新してくださると嬉しいです。 (4月22日 8時) (レス) @page37 id: 3264f93205 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 栗ここなさん» ありがとうございます😭試行錯誤しながら書いている作品なので、作者冥利に尽きます☺️これからもぜひお楽しみください😌 (3月27日 18時) (レス) id: b4c68f46cc (このIDを非表示/違反報告)
栗ここな(プロフ) - このシリーズ本当に好きです!続きをいつも楽しみにしてます🥰 (3月25日 21時) (レス) id: c0504a419b (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - メルさん» ありがとうございます☺️こちらでもコメントしていただけて本当に嬉しいです😭頑張って書こう!という気持ちになれます🙇♀️これからも応援よろしくお願いします! (3月19日 13時) (レス) id: b4c68f46cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2024年3月18日 16時