ｵﾓｲｵﾓｲﾘｮｳｶﾀｵﾓｲ ページ20
your side
友達が委員会の用事で呼ばれて仕方なく自席で最近買った小説を読んでるとパタパタ駆け寄ってくる足音、大好きな君の足音
蒼弥:Aちゃんなーにしてんの？
パーソナルスペース気にしなさすぎでしょってくらい近くまで寄ってきて私の顔を覗く猪狩くん
A:見たらわかるじゃん、本読んでるの
蒼弥:ごめんごめん、そんな怒るなって。それより俺その本気になってるんだけど面白い？
A:まあ、こういうジャンル好きだし私は面白いと思う
蒼弥:じゃあ借りていい？Aちゃんが読み終わったら
A:うん、良いよ
クラスがずっと一緒でけっこう仲良しで周りからは付き合ってるみたいだねなんて言われるけど全くそんな雰囲気はないと思うし猪狩くん自体私のこと残念ながらただの友達としか思ってなさそうだし。
それに最近隣のクラスの女の子と仲良くなり始めたし猪狩は気になった子には積極的に近寄るタイプだからきっとその子のこと好きなんだろうなって思うと私は告白したところでフラれるのが目に見えている。
蒼弥:あ、今日放課後寄り道したいとこあんだけど良い？
A:べつに暇だし良いよ
何も約束しなくとも放課後2人で帰るのなんて当たり前なのに、どうして友達のままなんだろう
最近猪狩と話したりそばにいたりするたびにそんなことばっかり考えちゃって、当たって砕けられるタイプの子だったらこんな悩まないのかなとか、ううん、なんで猪狩のこと好きになっちゃったのかなとかそんなことばっかり頭をめぐる
蒼弥:Aちゃん？行くよ？
A:あ、うん！帰ろ
そのふにゃっとした優しい笑顔、前ならかわいいなとしか思わなかったのに。今じゃいつか別の女の子のための笑顔になるのかななんて考えちゃって苦しくなる
相当重めの片想いしちゃったみたい
両思いなんて叶わないってわかってるけど好きっていう気持ちは止められないから辛い
蒼弥:Aちゃんさ、なんかあった？
A:え、なんで？
蒼弥:うーん、なんとなく気になった
A:特に何もないよ大丈夫
蒼弥:そう？ならいいんだけど
猪狩のことで苦しいなんて口が裂けても言えない。例えちょっと悩み事あるなんて言えたって心配させることしたくないし
A:そういえば寄り道ってどこ行くの？
蒼弥:ん？あと少しで着くよ、Aちゃんがきっと行きたいとこ
ｵﾓｲｵﾓｲﾘｮｳｶﾀｵﾓｲ__2→←ﾂﾅｸﾞｷﾞﾝｲﾛ__2
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作者名：ようぴょん** | 作成日時：2018年2月17日 3時
