ｿﾚﾃﾞﾓｿﾊﾞﾆｲﾀｲ__2 ページ26
soya side
Aが目を開いたときまた俺はちゃんと自分に戻る。
その顔はどこか寂しい表情も見えたけどさっきよりも晴れやかな面持ちで俺の名前を呼ぶ
A: 今日もありがとね蒼弥
蒼弥: いいよ、落ち着けた？
A: うん、少し
蒼弥: そっか、涼先輩は強く抱きしめたりしないかな
A: 強く抱きしめられたことないから想像つかなくて、蒼弥だって思っちゃって
蒼弥: ごめん、やりすぎたね気をつける
A: でもね、涼の匂いした。柔軟剤かな、香水かな？同じのにしたの？
蒼弥: ちゃんと涼先輩だって思ってもらいたいしさ
A: なんかありがと、安心したのその匂い
自分がつらいだけなのに
それでもそばにいたくて
こんなただの友達でしかない俺を頼ってくれるのも嬉しくて、それだけで正直調子乗ってる。利用されてる都合のいい人間になってるだけなのに。
A: ね、私にいつも付きっきりなってくれてるけど好きな人とか彼女できたらちゃんとそっちいくんだよ？
蒼弥: そんなこと言われなくてもそうするよ。俺は好きな人には一途だから
A: だよね。蒼弥の彼女になる人きっと幸せになりそう
じゃあそんな先生と関係持つような幼馴染なんか諦めて俺にしたらいいのに、なんて少女漫画の中では言うんだろうけど俺はそんな勇気はないから
蒼弥: 早く涼先輩振り向かせられるといいね
A: だと、いいな...蒼弥もいい子見つけなね
蒼弥: ...だね
2人でふわりと微笑み合う。
一途なのは良いのか悪いのか、そのせいで離れられなくなった。
いや、諦めることができなくて情けないだけ...か。
隙があれば弱みにつけこんで自分のものにできるかもって希望を見ちゃってるんだ。
どんなに貴女が俺ではない人に愛情を向けても、俺はそれでもそばにいたい。
きっと幸せにできるときが来るかもしれないから。
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作者名：ようぴょん** | 作成日時：2018年2月17日 3時
