(  ̄▽ ̄){顔文字のネタが尽きてきた。) ページ38
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「大地さん、僕の範囲広げて大丈夫です」
「無理は?」
「…してます。が、大丈夫です」
「……倒れんなよ」
「ウィッス」
全体的に後ろに下がり、狙われてる月島くんはサイドライン寄りになった、歪な陣形。大地さんは少し左にずれて、僕も少しだけ、左に動いた。
向こう側の及川さんからなら、よく見えるだろう。
月島くんに向けての、狭い狭い一本道が。
さぁ、通すならここを通せ。それ以外は、絶対に拾う。
「…っ……ふーん…」
ネットの向こう側の
「…でもさ、わざわざ開けてたら―」
また、あのサーブが来る。
「守れないよ!!」
針の穴を通すような、正確無比のコントロール。これは天性の“
時間をかけられたものというのは、ちょっとやそっとの付け焼き刃で敵うほど、柔くはない。
「―!チッ」
大地さんの舌打ち。ベンチの焦りの滲む声。
背後に感じる、月島くんの僅かな怯え。
ボールより、先に…―!
「大丈夫だから!!月島くん!!」
振り返りはしなかった。ヘルプに走るために膝を曲げることもなかった。ただ、きっと大丈夫だと、信じていたかった。
僕は翔ちゃんみたいにまっさらな人間ではないから、信じてる、って断言できる自信はなかったんだ。
それでもね。
「っ!!」
バァン!!音を立てて、僕の頭上をボールが弧を描いてゆく。
僕の傲慢な期待にも、可愛い後輩は、ちゃんと答えてくれるんだよね。
ほんと、可愛い後輩たちだ。
「おっ取ったね、えら〜い。ちょっと取り易すぎたかな?でも―こっちのチャンスボールなん…」
皮肉な相手の挑発に被せるように声を出す。
「月島くんナイス!!!」
「―…っ!」
そう、相手コートに戻そうがなんだろうが、繋いだ方が勝てるんだ。
だから、ナイスって。それは、嘘じゃないんだよ。
「ホラ、おいしいおいしいチャンスボールだ。きっちり決めろよ、お前ら」
だから僕は、可愛い後輩の頑張りを、無駄にはしたくないわけだよ。
「…次は僕の番だ」
呟いた声は、思いの外掠れていた。
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要 - 絵がカッコいい (2020年8月15日 21時) (レス) id: b71a30ab06 (このIDを非表示/違反報告)
要 - 方言的なのが、面白いです。 (2020年8月15日 21時) (レス) id: b71a30ab06 (このIDを非表示/違反報告)
遠山 - ファイト! (2015年9月19日 20時) (レス) id: 7d64baf24c (このIDを非表示/違反報告)
TYMS - 頑張れ! (2014年12月8日 21時) (レス) id: df9fd10a80 (このIDを非表示/違反報告)
メイ(プロフ) - ファンです!更新く( ̄Д ̄)ノガンバレーーー♪ (2014年10月28日 15時) (レス) id: f46468fbc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者ホームページ:http 作成日時:2014年8月19日 11時