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( ・□・ ){ ベストオブセッターは…) ページ22

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 今回の練習試合、セッターは孝さんを外して、トビオちゃんを起用する条件がついている。

 練習試合だし、実力のほどを実感するのにも、まぁいい機会かな、とは思っていた。納得は死んでもしてないけど。


 これはたぶん、今後の暗示だ。


 理性じゃないどこかでそう告げる僕がいた。100%起こり得る未来の予想を。龍ちゃんは予言とかなんとか言うけど、知りたくない未来を予想できてしまう僕の気持ちにもなってほしい。

 …孝さんは、今何を考えているだろう。

 アップの最中だったけど、ふと視線を向けて冷や汗が出た。



 これはいけない。



 僕はほとんど条件反射で「孝さん」と呼んでいた。今呼んでも仕方がないのに。珍しく慌てる思考を落ち着かせるためと、話すつもりの内容がないようだったから、思わず急いて、驚いたままの孝さんを連れ出してしまった。

 人気のない廊下で、心を落ち着かせようと必死になるけど、焦りと怯えでいつもと違う変な声になってしまっている。

「今から話すこと、同情じゃないんで、真剣に受け取ってくれると嬉しいです」

 返事が帰ってきたのを確認してから、手首を握っていたのを、少しずらして手を握り、深呼吸をひとつして、言った。



「僕の中のベストオブセッターは、孝さんです。異論は絶対認めない」



 右手で握った孝さんの左手を、殊更強く握った。細くて柔らかいけど、真のある手。何回も僕にトスを上げてくれた手。大切な大切な手。

 向けていた背を翻し、右手を引いて、ぐらりと前傾した孝さんの右肩を掴んだ。


 優しくて、気が利いて、いつだって皆のために笑う孝さんの顔。

 その顔が、諦めと劣情に歪んでいる様をこれ以上見るのなんて、堪えられない。

 でも、この気持ちは絶対に、同情なんかじゃない。


 孝さん、もっと、自分のいいとこ見つけてあげて。

 孝さんは、オトナとか、色んな人が思うほど、弱いわけがないんだよ。



「試合の後にも、同じこと言いますから」



 そう言って手を離した。

 孝さんは、俯いて顔を見せないまま、どこかへ走っていってしまう。


 ポツリと残された僕は、拳を握りしめた。








 

( `・ー・){刺激をくれ)→←(・о・){同情じゃない)



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- 絵がカッコいい (2020年8月15日 21時) (レス) id: b71a30ab06 (このIDを非表示/違反報告)
- 方言的なのが、面白いです。 (2020年8月15日 21時) (レス) id: b71a30ab06 (このIDを非表示/違反報告)
遠山 - ファイト! (2015年9月19日 20時) (レス) id: 7d64baf24c (このIDを非表示/違反報告)
TYMS - 頑張れ! (2014年12月8日 21時) (レス) id: df9fd10a80 (このIDを非表示/違反報告)
メイ(プロフ) - ファンです!更新く( ̄Д ̄)ノガンバレーーー♪ (2014年10月28日 15時) (レス) id: f46468fbc7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者ホームページ:http  作成日時:2014年8月19日 11時

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