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まだウォヌと、一緒に居たい。
この気持ちは正直で、もう自分自身にも嘘をつくことはできないと、そう思った。わたしは、ウォヌのことが好きなんだ。
*
(WN side)
Aをご飯に誘って、柄にもなくイタリアンとか行っちゃって。別にワインが特別好きなわけでもないけど、2人でワインを飲んで、美味しいものも食べて。とにかく気分も良い。
楽しいな、と思いながら店を出てすぐ、凄い勢いで向かってきた自転車に気付いていないAの腕を引いて抱き寄せれば、シャンプーなのか、香水なのか、女の子らしい桜のような軽い香りが香ってきて、今この手の中にAがいることを実感させられた。自分でしたくせに。
そのあと、2人して帰路に着くかどうか悩んでいた。
『帰…、うん、帰ろうか？』
そっと微笑んでAがそう言うから、仕方なく頷くけど。もう少し一緒に居たいと思ってしまうのは俺のエゴか？はぁ、と吐き出したため息はすぐに消えた。
自分でも分からない、気付かないうちにこんなにもAのことを思って、一緒に居られないだけでショックを受けている自分がいる。
いつかスングァンが言った「約10年。ずっと頭の片隅ではたとえ少しだけだとしても考えてたんでしょ？」その言葉が頭の中に浮かぶ。
帰らなきゃいけないとは頭では分かっている。分かっているんだけど。
まだAと、一緒に居たい。
そう、そう思うぐらい俺はAのことが好きなんだ。
・ ページ35
*
街にはチラホラと人影は見えるけど、今は、この時だけは。わたし達しかここに居ないような、そんな気分だ。
『か、える…？』
少し名残惜しい気もしながらも、そう言えばウォヌは困ったように口を閉じた。
『帰…、うん、帰ろうか？』
WN「うん…」
困ったウォヌを見て、流石のわたしでも今引き留めるのは違うことは分かっていた。本当は、帰りたくない、とそう言いたかったけど、そういうわけにはいかない。必死の思いで、帰ろうと言えば少し寂しそうにウォヌは頷いてみせた。
『タクシー？』
WN「いや、この時間ならまだ電車走ってるし、電車で帰ろう」
『うん。そうだね』
今は夏に向かう途中なのに、少し肌寒く感じるのは何故だろう。
この気持ちは正直で、もう自分自身にも嘘をつくことはできないと、そう思った。わたしは、ウォヌのことが好きなんだ。
*
(WN side)
Aをご飯に誘って、柄にもなくイタリアンとか行っちゃって。別にワインが特別好きなわけでもないけど、2人でワインを飲んで、美味しいものも食べて。とにかく気分も良い。
楽しいな、と思いながら店を出てすぐ、凄い勢いで向かってきた自転車に気付いていないAの腕を引いて抱き寄せれば、シャンプーなのか、香水なのか、女の子らしい桜のような軽い香りが香ってきて、今この手の中にAがいることを実感させられた。自分でしたくせに。
そのあと、2人して帰路に着くかどうか悩んでいた。
『帰…、うん、帰ろうか？』
そっと微笑んでAがそう言うから、仕方なく頷くけど。もう少し一緒に居たいと思ってしまうのは俺のエゴか？はぁ、と吐き出したため息はすぐに消えた。
自分でも分からない、気付かないうちにこんなにもAのことを思って、一緒に居られないだけでショックを受けている自分がいる。
いつかスングァンが言った「約10年。ずっと頭の片隅ではたとえ少しだけだとしても考えてたんでしょ？」その言葉が頭の中に浮かぶ。
帰らなきゃいけないとは頭では分かっている。分かっているんだけど。
そう、そう思うぐらい俺はAのことが好きなんだ。
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yz_dk_(プロフ) - むさん» む様 コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです。いつもと比べて少しゆっくりな展開になるかもしれませんが楽しんでいただけますと幸いです^_^これからもよろしくお願い致します！ (2023年1月7日 13時) (
レス) @page11 id: 20f64ffb2b (このIDを非表示/違反報告)
む(プロフ) - 新作おめでとうございます！主様の小説がやはり1番好きです、更新いろいろあると思いますがどれも応援しています！ (2023年1月3日 1時) (レス) id: cb9ba72967 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚紀
| 作成日時：2023年1月1日 12時
