No.23 ページ33
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ウォヌに誘われて向かったご飯屋さんはイタリアンだった。てっきりいつものように居酒屋でご飯を食べながら、お酒を飲むものだと思っていたから、少しびっくり。
『いつものお店じゃ無いんだね』と言えば、「うん。今日はそういう気分だから」とウォヌは頷いてみせた。
『オシャレだね、このお店』
WN「調べた」
『調べてくれたんだ』
WN「Aと来たかったから」
不意に言われたそれにドクンと胸が高鳴る。ウォヌは度々こういうところがあると思う。言葉だけじゃなく、行動とかも。
『あ、りがとう？』
WN「うん。食べよう。ワインもあるって」
『うん、せっかくだしワイン飲みたいな』
いつもは前髪に隠れている目が今日は少しだけ、ハッキリと見える。前髪越しに合っていた目線も今日はなんの障害も隔てない。
WN「好きなもの、頼んで。俺、ワインもイタリアン料理もよく分かんないし」
『ウォヌヤ、苦手なものあるっけ？』
WN「刺身」
『オッケー。じゃあ、カルパッチョは避けようね。それ以外で適当に頼むよ』
WN「うん。そうして」
メニューを片手にあれもこれも美味しそうだと迷っていれば、前から笑い声が聞こえて。顔を上げると、ウォヌがクスクスと笑っている。
『なんで笑うの』
WN「あまりにも真剣だったから」
『だって美味しいもの食べたいじゃん！』
WN「ハハハ！そうだね。それは間違いない」
『ウォヌの為に選んでるんだよ、今！』
WN「うん、ありがとう」
いつも見せるような笑顔よりももっと柔らかくて、優しい笑顔で、そっと微笑んで。「それに…」と呟いたあと、口を閉じてしまう。
『それに…？』
WN「………Aが可愛かったから」
また前髪に隠れて見えなくなってしまったメガネ越しのその目。顔を隠すように横を向くけど、見えている耳は真っ赤だ。よく例えでリンゴのように赤く染まる頬、なんて比喩を使われることがあるけれど、今のウォヌはリンゴ以上に真っ赤だ。そんな空気感が伝わって、わたしの顔にも熱がどんどん集中していくのが分かった。
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yz_dk_(プロフ) - むさん» む様 コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです。いつもと比べて少しゆっくりな展開になるかもしれませんが楽しんでいただけますと幸いです^_^これからもよろしくお願い致します！ (2023年1月7日 13時) (
レス) @page11 id: 20f64ffb2b (このIDを非表示/違反報告)
む(プロフ) - 新作おめでとうございます！主様の小説がやはり1番好きです、更新いろいろあると思いますがどれも応援しています！ (2023年1月3日 1時) (レス) id: cb9ba72967 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚紀
| 作成日時：2023年1月1日 12時
