No.15 ページ21
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スングァンのそういう意味はよく分からなくて、不思議そうな顔をしていたのだろう。「お子ちゃま」なんてふざけた顔してそう言うから肩に1発グーパンチをお見舞いしておいた。
SG「Aってさ、小学生の頃からウォヌのこと知ってるんでしょ?」
『うん、そうだよ』
SG「仲は別にそんなに良くなかったって言ってたじゃん」
『まぁ…、そうだね』
SG「じゃあ、なんでそんなにウォヌのことが気になってたの?」
『なんで…?』
首を傾げるわたしを見て同じようにスングァンも首を傾げる。
SG「なに!?なんなの!?ここまで言っても尚、気付かない!!?」
持っていたビールジョッキをドンと机に置いて、少し声を荒げるものだからびっくりして固まってしまった。
SG「ごめん、感情に負けた」
『う、うん…?』
SG「あのね、Aヤ。よく聞いてくれる?」
『どうぞ』
SG「Aだって子どもじゃないんだし、彼氏の1人や2人居たこと、今までにだってあるでしょ?」
『それは、あるけど…、ていうかさっきはお子ちゃまとか言ってたのに』
SG「冗談じゃんか。うん、で、そんなことはどうでも良くて。その人たちと付き合ったのって、それぞれ理由があるからでしょう?」
『そりゃあ、もちろん。好きだったからだよ』
SG「でもみんなたった数ヶ月で別れてる。しかも“俺のこと好きなのかどうか分からない“って理由で」
『…やめて、過去の傷を抉るのは』
確かに今まで付き合ってきた彼氏達(片手でしか数えられないぐらい少ないけど)は、そういった理由でフラれてきた。Aが俺のことを好きなのかどうか分からない、自信がない、と。
SG「実際はどうだったの?」
『好きだったよ』
SG「ウォヌより?」
『なんでそこでチョン・ウォヌが出てくるの』
SG「Aヤ、本当にその彼氏達をチョン・ウォヌと比べたこと…、無い?」
何故そんなにもスングァンがウォヌに拘るのか、理由が分からなかった。いや、分かりたくなかったのかもしれない。ずっと心の奥底にあったひとつの想い。それに今はまだ気付きたくなかった。
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yz_dk_(プロフ) - むさん» む様 コメントありがとうございます!そう言っていただけて本当に嬉しいです。いつもと比べて少しゆっくりな展開になるかもしれませんが楽しんでいただけますと幸いです^_^これからもよろしくお願い致します! (2023年1月7日 13時) (レス) @page11 id: 20f64ffb2b (このIDを非表示/違反報告)
む(プロフ) - 新作おめでとうございます!主様の小説がやはり1番好きです、更新いろいろあると思いますがどれも応援しています! (2023年1月3日 1時) (レス) id: cb9ba72967 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚紀 | 作成日時:2023年1月1日 12時