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side龍友
龍「ごめんなぁ」
耐えられなくて。
もう、黙って見てられなくて。
部屋に入ってすぐに涼太を抱き上げ、強く抱きしめた。
軽くて、小さくて、柔らかかった。
僕はこんな小さい子に、我慢させて辛い思いをさせていたんだ。
龍「これ、痛いやろ…どうしよかな、」
涼太の顔を覗き込んで気付いた、唇の傷。
たぶん、噛んだんだと思う。
我慢するために、自分の気持ちを押し殺すために。
唇を噛んで口を開かないようにしたんだ。
龍「ベビークリームあったかな、」
涼太を抱っこしたまま家中をウロウロ。
龍「痛いよなぁ。もうちょっと待ってなぁ」
いくら小柄でも4歳の子をずっと抱っこするのはなかなかの体力がいる。
だけど、そんなこと気にならなかった。
涼太はもっと、辛かったんだ。
いつだって双子優先。
年下だからってのもあると思う。
だけどたぶん1番は、手がかかるから。
とはいえ、そんなのはただの言い訳。
お兄ちゃん4人、弟3人。
それならせめて1人くらい、涼太のことをしっかり見てやれば良いものを。
涼太は優しい子だから。
思いやりのある子だから。
他人に優しくしすぎて、自分を押し殺している。
もちろんまだ4歳だから無自覚だろうけど、それでもちろんすごいと思う。
だけど、だけど。
龍「涼太、絵本読んだろ」
机の上にあった絵本を手に取り、涼太を僕の足の間に座らせる。
龍「むかしむかし」
少し話し始めると、涼太はコテっと僕に体重を預けてくる。
龍「おじいさんは優しい男の子のことが…」
話している途中で、かなりウトウトしている涼太に気付いて。
そっと頭を撫でながら。
龍「龍友くんは優しい涼太くんがずっと大好きなんです」
涼「んぅ…」
龍「あれ、寝てるんか、笑」
せっかくのアレンジは夢の中に行ったあとだったのだろうか。
まぁ、それでもいいか。
そのまま僕は涼太を布団に寝かせて、腕枕をしてあげながら隣で眠りについた。
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りさ - jdhchebbdnさん» いえいえ(*^-^*)続き楽しみにしてます(*^-^*) (2021年2月21日 3時) (レス) id: 4e892c9c3e (このIDを非表示/違反報告)
jdhchebbdn(プロフ) - りささん» ありがとうございます (2021年2月20日 22時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
jdhchebbdn(プロフ) - そらさん» いえいえです! (2021年2月20日 22時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - ジェネハウスがジェネハウス#1になってる(*^-^*)続き楽しみにしてます(*^-^*) (2021年2月20日 3時) (レス) id: 983b81c132 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 書いていただきありがとうございます! (2021年2月19日 23時) (レス) id: d773789e6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:jdhchebbdn | 作成日時:2021年2月1日 22時