○10 ページ11
side龍友
龍「ただいまぁ」
いつものことだけど帰宅は夜の10時を回る頃になってしまう。
残業代はきっちり付くから、少しでも多く稼ぎたくて残業もやるようにしてるからね。
ただそんな時間になると、うちのチビたちはもうとっくに眠っている。
亜「おかえりー」
いつも誰かが帰ってくるたびに部屋から出てきて声をかけてくれるのが亜嵐。
そしてそんな亜嵐が泣き虫で甘えん坊なチビを抱っこして顔を出すこともよくあることなんだけど。
龍「え、涼太?」
だいたい抱っこをせがんで甘えているのは隼か玲於。
なのに今日はまさかまさかの涼太で驚きを隠せずにいると。
亜「涼太、熱あったんだ。けど俺、気付けなくて…」
そう言いながら僕に近付いてくる亜嵐は、わかりやすく落ち込んでいた。
龍「そんな落ち込むなって。涼太が熱だしてしまうんは昔からよくあることやん」
そう言いながら何気なく見た食卓に、いつもの小児科の薬が置いてあって。
龍「しかもちゃんと病院も連れて行ってくれたんやん。双子もおんのにありがとうな」
亜「けど結局、健二郎さんとか大樹に助けてもらったし」
龍「ええやん、それで。亜嵐が頑張ってるから手伝ってやりたくなるんやろ?」
クシャッと亜嵐の頭を撫でたあと。
龍「涼太、僕が抱っこするから亜嵐も寝ておいで」
そう言って涼太に手を伸ばすと。
亜「いや、涼太が起きたときに、ちゃんと抱っこしててあげたいから」
そしてなぜか急にモジモジし始めたかと思えば。
亜「あとさ、お粥の作り方、教えてくれない?」
ちょっと照れ臭そうに、そっぽを向きながらもチラチラと僕の様子を伺っている。
亜「いや、その…まぁ、なんかあったときに、あったかいもの食べさせてあげたいし、」
何を思ったのか、急に言い訳みたいなことまで言い出した。
だけど本当は。
嬉しかった。
亜嵐が自分から学びたい、覚えたいって思ってくれたことが。
それも自分のためではなく、弟のために。
涼「んぅ…」
さっそくお粥について説明していると、亜嵐の腕の中から小さな声が聞こえてくる。
亜「涼太?起きちゃった?」
真剣にお粥についての話を聞いていたのに、一気に優しい顔つきになって涼太の頭を撫でる。
良いお兄ちゃんだよ。
涼「んふ、ありゃん、くっ、」
亜「ちゃんと抱っこしてるよ?笑」
ニコニコしながらペタッと亜嵐の胸に顔を引っ付ける涼太。
可愛い兄弟だよ。
211人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りさ - jdhchebbdnさん» いえいえ(*^-^*)続き楽しみにしてます(*^-^*) (2021年2月21日 3時) (レス) id: 4e892c9c3e (このIDを非表示/違反報告)
jdhchebbdn(プロフ) - りささん» ありがとうございます (2021年2月20日 22時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
jdhchebbdn(プロフ) - そらさん» いえいえです! (2021年2月20日 22時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - ジェネハウスがジェネハウス#1になってる(*^-^*)続き楽しみにしてます(*^-^*) (2021年2月20日 3時) (レス) id: 983b81c132 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 書いていただきありがとうございます! (2021年2月19日 23時) (レス) id: d773789e6b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:jdhchebbdn | 作成日時:2021年2月1日 22時