検索窓
今日:18 hit、昨日:34 hit、合計:109,514 hit

○29 ページ30

side龍友

龍「りょーた、」

裕「ごめん、」




臣さんに連れられてやって来た涼太の病室。

細い腕に痛々しく刺さった点滴。





思わず目を閉じた。









臣「目ぇ逸らすな。ちゃんと見とけ、涼太のこの状態はお前らの行動が招いたことだよ」


鋭い言葉に、何も言えず。




臣「俺が気付いた時にはすでに倒れて意識も朦朧としてた」


つまり、涼太は熱があった。

今日、いつもより動きがゆっくりだったのは、反応が鈍かったのは、熱があったから、?



臣「搬送中は意識朦朧としてる中でも、ずっと嘔吐してた。してたって言うか、もはや無意識に流れ出てるようなもんだったよ」

もしかしてトイレに座り込んでいたのは、吐き気があったから?




臣「搬送してから一回起きるまで、酸素マスクつけてたんだよ、涼太」



どれだけ辛かっただろう。

どれだけ苦しかっただろう。







臣「今日は全員が家にいたんだろ?本当に誰も涼太の異変に気づいてなかったのかよ」


今思えば、おかしな点がいっぱいあった。

だけど、だけど。

そのときの僕は。









裕「本当にすみませんでしたっ…」

龍「すみませんでしたっ…」



その他に、言葉が出てこなかった。









臣「俺に謝られても……涼太、?」

龍「え?涼太?」

裕「涼太、?」



突然黙り込む臣さんにつられて涼太を見ると、ボーッと目を開いていた。




臣「りょーた、わかるー?


臣さんが声をかけている涼太に思わず。



龍「涼太っ!ごめん、ごめんなぁっ、!」

抱きついた。


裕「ほんまにごめんなぁ。しんどかったなぁ」

裕太は頭を撫でた。








だけど。






龍「涼太、?」

裕「どしたんや?」



無反応。

どこを見てるのかわからない。

じっと固まって、僕らにされるがまま。









臣「ちょっとごめん」

すかさず臣さんが僕らの間に入る。




臣「りょーた、わかる?大丈夫、大丈夫だよ」


トントンと涼太の背中を叩きながら話す臣さん。



だけど涼太はやっぱり無反応で。









臣「疲れちゃってるもんな。よし、寝ちゃおっか」


そう言って涼太のお腹をトントンとすると、すぐに涼太はまた眠った。

そして固まる僕らの方に向き合う。



臣「人間不信だと思うよ」

龍「え、?」

裕「人間不信、?」



聞いたことはあるけれど、身近ではない言葉。


臣さんは表情を変えることなく、話を続けた。

○30→←○28



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (122 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
211人がお気に入り
設定タグ:GENERATIONS , 片寄涼太 , 兄弟
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りさ - jdhchebbdnさん» いえいえ(*^-^*)続き楽しみにしてます(*^-^*) (2021年2月21日 3時) (レス) id: 4e892c9c3e (このIDを非表示/違反報告)
jdhchebbdn(プロフ) - りささん» ありがとうございます (2021年2月20日 22時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
jdhchebbdn(プロフ) - そらさん» いえいえです! (2021年2月20日 22時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - ジェネハウスがジェネハウス#1になってる(*^-^*)続き楽しみにしてます(*^-^*) (2021年2月20日 3時) (レス) id: 983b81c132 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 書いていただきありがとうございます! (2021年2月19日 23時) (レス) id: d773789e6b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:jdhchebbdn | 作成日時:2021年2月1日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。