山吹109 ページ9
『ウウウ』
Aは暗闇の中にポツリと立っていた。
向こう側には涙を流して唸る青年がいて、青年は小さな男を抱えている。
その青年と男が話に聞く雅とその父だと分かったAはジッとその様子を見ていた。
寂しそうな後ろ姿だ。まるで昔の自分のようだと思いながら、女はその二人を見ていた。
「あら、お客さん？珍しいな……」
キン、と鈴の音と共に劈くような男の低音が聞こえた。
後ろを向くと、そこには毛先が青く染まった少年が自分の身長より髪を長くして座っている。
指先からは黒い爪がビンと伸びていて、少年は大きな着物を体に合わせるようにして着ていた。
どうやら、雅は少年の姿らしい。
「ヤァ、お嬢さん。女と話すなんて何百年ぶりだろ……仲良くしてくれよ」
少年の口からは三十路半ばの低音が奏でられていた。
「貴方が雅鳳か」
「ンン。ヤだな、雅って呼んでよ。オレはその呼び方、好きじゃないんだ」
「そうか」
Aは振り返って、雅を見つめた。
瞳がこちらに向けられる。さっきは感じず、こちらに興味があると言うよりかは、Aのなかに眠る�犲�い�瓩剖縮�があるように感じる。
「ヘェ……もうすぐ死ぬんだ」
「ああ。だけど死ぬわけにはいかない」
「そんなのはみんな同じさ。オレの親父だって、死にたくて死んだわけじゃない…」
「貴方は後悔の懺悔のために私をここに呼んだのか？」
赤色の閃光がキラリと光って、ギロリと蜘蛛の目がAの動向を見た。
首にはビンと伸びた爪が今に刺さらんと構えられている。
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夜 - とても面白くていつも続きを楽しみにしてます。まだ続きは書かれる予定なのですか？書いてくださるならいくらでも待つので更新頑張ってください！ (7月5日 19時) (
レス) @page21 id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
茶白猫好き(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2022年7月8日 19時) (レス) @page12 id: e24cbecaf8 (このIDを非表示/違反報告)
戯言(プロフ) - 待ってました！！！更新ありがとうございます！応援しています！ (2021年12月12日 17時) (レス) id: 2a27d057e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらき | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/43825162
作成日時：2021年12月12日 16時
