山吹108 ページ8
たしかに雅鳳は妖怪は手に収めるだけでなく、刀に近づくことすらできない。
理由は簡単。
莫大な畏れの量に耐えられないのだ。
Aはそれを知っていた。
老婆から教えられたからだ。
こう言うはずだから、こう言えと。
あの老婆は四国妖怪の中でもトップレベルの情報網を持つおばばであった。
Aには四分の一ではあるものの、人間の血が色濃く混ざっている。妖怪でもなく、人間でもない彼女は持ち主として理想の体を持っていた。
加えて、呪いのデメリットを体に抱えた妖力の量は異常ですらある。
つまりは、宝刀『雅鳳』を扱えるとしたら、もうAの他にはいないということだ。
「ではなんだ。貴様は雅鳳が扱えるとでも言うのか？」
「勿論」
「ハッ。ハッタリだな。妖怪であるならば、そのようなことができるはずもない」
「私は妖怪ではないゆえ。その心配は無用ですよ」
は？と周りは凍りついた。何を言っているんだコイツは、と。馬鹿なことを吐かせと。
ヤジを飛ばした男は高笑いをしてから「そんなことあるはずがない」と豪快に口を開いた。
対し、Aはニコリと微笑み「私の中には人間の血が流れております」と静かに言い放ったのである。
そうしてから彼女は立ち上がって、スタスタと巨大な宝刀に近づき。何重にも厳重に貼られた札の掬に触れた。
途端に周りは黒い妖気に覆われる。
今まで静かに眠っていた雅鳳がガタガタと揺れ始め、畏れを放ち始めたのである。
思わずといったようにその場にいた土蜘蛛たちは立ち上がり、平然とその渦の中立っているAを凝視した。
そうして、体が固まって動けなくなった。
畏れがだんだんと収束しはじめると、それな比例して刀がなんと大太刀ほどに縮んたのだ。
雅鳳の茎を掴んだ女が佇んでいた。
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夜 - とても面白くていつも続きを楽しみにしてます。まだ続きは書かれる予定なのですか？書いてくださるならいくらでも待つので更新頑張ってください！ (7月5日 19時) (
レス) @page21 id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
茶白猫好き(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2022年7月8日 19時) (レス) @page12 id: e24cbecaf8 (このIDを非表示/違反報告)
戯言(プロフ) - 待ってました！！！更新ありがとうございます！応援しています！ (2021年12月12日 17時) (レス) id: 2a27d057e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらき | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/43825162
作成日時：2021年12月12日 16時
