山吹117 ページ17
通された部屋は8畳少しの座敷だった。
お香の匂いが微かに感じられる程度で、かなり埃っぽい。覗いてみれば布団がふたつ置いてあった。どうやらここがリクオの寝る場所らしい。
顔を引っ込めて、隣に立つイタクを見上げる。
イタクはこちらに視線を一切向けず、事務的に口を開くだけだった。
「ここが今日からお前の部屋だ。同室の雪男に聞けばある程度は把握できる。修行は明後日の昼から。後で雪男に服を渡すからそれに着替えておけ」
「……お前が世話係じゃねえのか」
「俺はお前の戦闘面を見るだけだ。お守り役じゃねえ。せいぜい死なないことだな」
「あ…」
居ない。
どうにも不親切だと思いながら、とりあえず部屋に入る。
やはり埃っぽいので、少し障子を開けたままにして同室の男を待った。
イタクは少し苦手なタイプだ。
昼の自分ならば対処出来ただろうが、どうにも関わりづらい。
自分に対して直球に嫌悪感を抱いているタイプは幼い時から居なかったのでやりづらいのである。
学校にはある程度いたが、わざわざ関わることもなかった。
これからあの男と修行するのか。
なんだか不安だ。
自分は耐えられるだろうか。
「3代目になる」と決めたは良いが、心の内では臆病な自分が喚き立てている。
そう言っている暇はないのに、やはり自分はどこまでも弱かった。
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夜 - とても面白くていつも続きを楽しみにしてます。まだ続きは書かれる予定なのですか？書いてくださるならいくらでも待つので更新頑張ってください！ (7月5日 19時) (
レス) @page21 id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
茶白猫好き(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2022年7月8日 19時) (レス) @page12 id: e24cbecaf8 (このIDを非表示/違反報告)
戯言(プロフ) - 待ってました！！！更新ありがとうございます！応援しています！ (2021年12月12日 17時) (レス) id: 2a27d057e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらき | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/43825162
作成日時：2021年12月12日 16時
