僕は僕の青春を取り戻す【∞】2 (ページ10)

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daily.12 ページ10

◎なかまさん

2020年夏。

『なんなんドリアイホワイトって。一人やん！？』

関西ジャニーズ全体でのイベントを直近に控え、急ピッチでリハーサルが進められている中。

メンバーカラー別のユニットで曲を披露する企画に異議を唱えている男性が一名。

いや、横山くんもどうしようって悩んではったから、正式には2人目か。

『もしかして横山くんも一人！？』

「そうやな。横山くんはチョコレートになりそうみたいやけどね。」

『ちょっ、もう白と黒混ぜてさ、ドリアイオセロとかにせえへん？一人とか、不安！』

「せえへんて。ほら見て？ファンの人らもツイッターでリクエストしてくれてるで？」

俺はぶつぶつと文句を言う晴人にスマホを見せる。

晴人はさっきまで文句を垂れてたのが一変して、興味深そうにスクロールをしている。

『ほへ～。すごいなこれ。みんな呟いてんの？』

「せやで。ほら、中間報告ってことでYouTubeのカメラも回してるしさ。晴人も自分の希望とか言っといたら？」

晴人はう～んと黙り込んで、スマホを覗き込んでる。こいつ、カメラ回ってること忘れてるんちゃう？

『もうさ、東京からラウールくん呼んでこようや。あの子ホワイトなんやろ？』

彼の口から出たのは最近デビューした後輩の名前。
晴人絶対喋ったことないやろ。

「晴人、人見知りやけど大丈夫？」

『あ、無理やわ。しかもあの子めっちゃスタイルええやろ？隣に並んだら公開処刑や。』

いや、晴人もスタイル良いし細いから、そんなことないと思うけどな。
てか、東京から呼んでくる時点で企画の趣旨変わってもうてるから。

『あ、ていうかYouTube見てくれてる皆さん。なんで淳太が俺にタメ口やねん！って思ってる方いるかもしれないですけど、淳太のほうが俺より年上なんですよ。だから心配しないでね。』

俺と晴人はほぼ同期みたいなもん。
やけど晴人のほうが先にデビューしたから、初見の方にはたまに誤解されることもあるねんな。

こういうこと説明してくれるあたり、晴人は周りのことちゃんと見てくれてるんよな。

「晴人、そういうことちゃんと言ってくれたらありがたいわ。」

『ふふっ。俺って気ぃ利くやろ？』

「うわ、うざっ。」

まあ、相変わらず俺のことなめてるけどな。