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Fanblog.2 ページ16
◎とあるエイター blogにて
2015-4-27
貴方はひとりじゃない。白岡晴人くんに寄せて��
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白岡くんがMCで話すのが苦手なことも、なかなかファンサをしてくれないことも、エイターのなかでは共通認識になっていたし、私はそれほど気に留めていなかった。
むしろ、そんな白岡くんがどうにかファンサをしてくれないかとうちわ作りに苦心したものだ。
唯一彼のファンサを引き出すことに成功した「視力検査うちわ」(注：Cの字の横に「どちらが開いているでしょう」と書いたうちわ)は、今でも大切に実家に保存してある。白岡くんが片目を隠して右を指さしてくれた時はこの世の終わりかと思った。
白岡くんはあまりファンと関わるのが好きじゃないことは薄々気づいていた。
だけど、あの松竹座での怪我がこんなにも彼の心に傷を負わせていたことには気づけなかった。
白岡くんが怪我を負ったのは、２００５年の冬松竹。
私はそのときまだ白岡くんのオタクではなかったので、彼が怪我をしたことは友人から聞いた。
２階席に入っていた友人によれば、白岡くんが花道から突然消え、ファンの悲鳴が聞こえたらしい。
しばらくして自力で這い上がってきた彼は笑顔で手を振っていたが、額からは大量の血が流れていた、とも。
結局彼はスタッフさんに引きずられるようにして去っていき、数曲後にはハットをかぶってしれっとステージに戻ってきていたそうだ。
ヨコもヒナちゃんも、あのすばるでさえ動揺を隠せない様子だったのに、白岡くんだけはニコニコと笑っていた。
友人はそれが不気味だったと言っていた。
あんなにも血を流していたのに、どうして白岡くんはあんなに笑顔でいられたのか。
白岡くんは本当に強い子だよと、友人は妙に感心していた。
だけど、あの連載を読み終えた今。
彼の強さは偽りの強さだったことを知った。
メンバーやエイターを、家族を安心させるために、偽りの仮面をずっとかぶっていたのだと思い知った。
白岡くんは逆境をはねのける天性のアイドルだと思っていた。
でも、そうじゃない。
本当は恐くて、誰よりも弱くて、
それでもみんなに好かれるために努力を惜しまなかったのだ。
それがたとえ自分の心を蝕む方法だったとしても、
彼は血眼になって自分を変えようと必死にもがいていたのだ。
結果的にそれが、彼の心を故障させてしまった。
傷跡を隠して微笑む君のやさしさに、私は当時気づくことができなかった。
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作者名：さざ波 | 作成日時：2021年2月14日 22時
