五十八 ページ17
no side
時刻は遡り午前四時
まだ日が昇らぬその夜、昼間は賑わう住宅街は静寂と化していた
そこに、人影が三つ。
女「さあ着いたわ」
病的に痩せたお世辞にも美しいとは言い難い女が言う。
女とは対照的に少し太った男が目の前の古い一軒家の鍵を開ける。
女の右手に握られているのはロープ。
ロープは一歩後ろから付いてきていた青年の首に繋がっていた。
まるで犬につけられたリードのようだ。
女がロープを引くと青年は強制的に一軒家の中に入らされる。
青年の眼には光など宿っていない。
女は青年のロープを解きとある部屋に案内した。
女「暫くここで待っていて。すぐに遊んであげるから。…逃げようとしたらただじゃおかないわよ」
そう言って高笑いをしながら部屋を去った。
青年は辺りを見渡した。
この部屋には、乱雑に置かれた汚い毛布と勉強机と椅子しかない。
窓は木の板が打ち付けられており外が見えない。
そして何より青年の目を惹きつけたのは、壁や床にある……血痕だった。
微かに鉄の匂いのするこの部屋は、どこか空気が重い。
しかし青年は身震いの一つもせず、ただ冷静だった。
青年は次に勉強机に目を向けた。
酷く埃を被った勉強机。…どうやら長い間使われていないようだ
青年は興味本位で勉強机の引き出しを開けた。
ほとんどが空であったが、奥にくしゃくしゃにされた紙があることに気付いた。
紙は大分古くなっていた。
紙を広げると、そこには子供らしい絵が描かれていた。
中心には涙を流している女の子。
その女の子の頭に脚を乗せた女。この女もまた泣いている
そして木刀のようなものを持った笑顔の男がその二人を見つめている
その男の両側には金髪の女が二人。
青年はその絵を大事にたたみ、自身の服のポケットに入れた。
と、同時に部屋のドアが開かれた
男「待たせたな。歓迎するよ。…えぇっと」
青年は男を見て少し微笑む
br「broooockです」
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カルネチカ - すず〜さん» ありがとうございます！！ (2020年6月19日 21時) (
レス) id: 1cd7b0c2f0 (このIDを非表示/違反報告)
すず〜(プロフ) - 面白いです！これからも頑張ってください！ (2020年6月19日 7時) (レス) id: 550fcf760a (このIDを非表示/違反報告)
カルネチカ - 瑠璃色の苺さん» ありがとうございます！！お気に召して頂けて嬉しい限りです(白目) (2020年6月12日 23時) (レス) id: 1cd7b0c2f0 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の苺 - 続編おめでとです!この作品読むと色々と尊すぎて心臓が止、まr… これからも応援します!(生き返った) (2020年6月12日 22時) (レス) id: d36e3327bc (このIDを非表示/違反報告)
カルネチカ - るーさん» ありがとうございます！！上手く書けてたようで良かったです…！笑 (2020年6月12日 21時) (レス) id: 1cd7b0c2f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カルネチカ | 作成日時：2020年6月11日 19時
