太刀川隊のケンカップル事情 2【出水公平】 (ページ43)

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喧嘩 84 ページ43

昨日は散々な目にあった。
あの後、出水を殴ろうとしたら太刀川さんが帰ってきて止められるし。

太刀川さんが殴ろうとした理由を聞いてきて、私が黙っていたら出水が全部太刀川さんに話すし。
それを聞いた太刀川さんは「ほどほどにしとけよ～」とか言ってた。

結局恥ずかしい思いをしたのは私だけじゃないか。

「あ、はよ葵」

『おはよう、米屋』

「なんだ、今日は一段と機嫌が悪いな」

『うるさいなぁ‥‥‥って、何。あんた勉強してんの？』

机の上に広げられる参考書。そして真っ白なノート。

「秀次に言われたんだよ。1教科でも赤点克服するまでランク戦禁止って」

『自業自得だ。それより全く解けてないじゃん』

参考書を見ると特に難しい問題でもなく、基本問題ばかりだった。
もしかして、それすらもわからっていないのではないだろうか。

『お前、本気でやってこれか？』

「おう」

『‥‥‥‥教えてやる』

こいつ、どうやって高校生になったんだ？
そう呆れながら米屋の隣に机をくっつけて座る。

そして１つ１つ、最初から教えた。
私の成績は一応上の方だ。多分三輪よりも上。
最近は下がってきてるけど‥‥‥人に教えることは得意だ。

「お前、勉強だけは出来るんだよな」

『だけってなんだよ！』

運動は女子の中でも出来る方だ。そりゃ男子には勝てないけどさ。