喧嘩 74 ページ33
横から声が聞こえた。出水だ。
なんだか久し振りに声を聞いた気がする。
『出水‥‥‥な、なんで泣いてんの!!?』
柚宇先輩ならまだしも、出水が泣くなんて思わなかった。
そして出水はそのままだ私に抱きつく。
「‥‥‥‥好きだ」
『‥‥‥‥!?なっ‥‥ちょ』
わけがわからない。
どうしたんだこいつ。頭でも打ったのだろうか。
でも、嫌なわけじゃない‥‥というのは絶対に言わない。
こいつが調子にのるから。
『出水が泣くなんて、珍しい‥‥‥可愛い』
「男に可愛いとか言うな」
一層強く抱きしめられ、唇を塞がれる。
深くて、長い。
『ふっ‥‥ぁっん、んぅ』
「その腕なら、何しても抵抗できないよな」
ギラリと野獣のような瞳が光る。
唇にもう一度、それから耳や首、頰や手の甲にキスを落としていく。
『い、ずみっ‥‥怒って‥‥ひぅっ』
止まらない。体の熱がどんどん上昇していく気がする。
「もっと、声聞かせて」
『ひぁっ、や‥‥‥出水、落ち着け!』
左手で精一杯彼の体を離す。
力はあまり入らないので、少しも動いてはくれなかったが‥‥
「わ、悪りぃ」
一応目は覚めたみたいで、自分から退いてくれた。
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作者名:ピーヤ | 作成日時:2017年12月20日 23時