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喧嘩 72 ページ31
私が生身の相手を切ることはできない。
理由は簡単。人殺しなんてしたことがないし、したくないから。
敵は護身用に持っていたと思われる短刀を持った。
どうしよう。遊真は敵を食い止めるのに精一杯だろうし、助けてくれる人なんていない。
足が震える。今、私は殺すか殺されるかの窮地に立っているのだ。
こちらに向かってくる相手に、私は抵抗できなかった。
短刀で刺され、トリオン漏出過多でトリオン体が解けた。
首を絞められ、息ができなくなる。
『あ”っぐぁ‥‥！！』
苦しい。無理だ、死ぬ。
目の前が霞んで、見えなくなる。
そのまま私は男に放り投げられ、頭と右半身を強く打ってしまった。
段々と暗くなる視界に、こちらに向かってくる遊真の姿が見えた。
ここで、私の記憶は終わり。
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作者名：ピーヤ | 作成日時：2017年12月20日 23時
