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拾伍 ページ15




「こんなに足を傷だらけにして…すまなかった」


屋敷に着くと、炎柱様は眉を下げそう謝った。頬に掠り傷ができそこから血がながれてしまっている。

懐からハンケチを取り出しそこを押さえて止血をすると、炎柱様は目を見張り驚いた。


「貴方だって傷付いているじゃないですか」


とにかく疲弊していた。私の心を色んな感情が目まぐるしく移ろっていき足は鉛のように重くなった。

今まであらゆることから逃げてきたツケが回ってきたのだろう。今更自分の気持ちに振り回され、どうすればいいのかもわからずにいる。


「近くで鬼の気配がしたのだ!まさかとは思ったが、案の定だった!」


そう言いつつ私をそっと布団の上に下ろすと、彼は薬を取ってきて私の傷に塗り始めた。


「炎柱様、まずはご自分のお怪我を…」

「うむ、それならば心配はない!骨ならばもう付き始めている!」

「一体何を仰っているのですか!」


そう口を開けば、炎柱様は隊服を脱ぎ包帯を解いて患部を見せる。腫れは引き内出血も見られず、皮膚の縫い跡も膿が消えていた。

どういうことなの、これは。治りが早すぎる。


「丈夫なものだと胡蝶に呆れられる程治りが早い!だからもう心配は無用だ!」


後一週間もすれば完治するだろう。そんな彼の言葉に嘘は無く、私は唖然としていた。

本当に人の身体なのかと疑ってしまう程の出来事である。


「君は君自身の心配をしなさい」


私の髪をそっと撫でて、炎柱様は優しくそう言うのだった。



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シルビア★姉貴 - 中村さん» もし良ければ私と鬼滅で合作しませんか?? (6月14日 16時) (レス) id: e86143b1ee (このIDを非表示/違反報告)
中村(プロフ) - NIKOさん» お読みいただきありがとうございました。感動していただけたならばとてもとても嬉しいです。 (6月11日 18時) (レス) id: 97c232aa64 (このIDを非表示/違反報告)
中村(プロフ) - Lullさん» コメントありがとうございます。沢山お褒め頂けて嬉しいです。続編もお読みいただけると幸いです。 (6月11日 18時) (レス) @page29 id: 97c232aa64 (このIDを非表示/違反報告)
NIKO - 面白過ぎですよ…涙腺崩壊させる気ですか? (6月11日 9時) (レス) @page29 id: 412fd2ba39 (このIDを非表示/違反報告)
Lull(プロフ) - 完結おめでとうございます。占ツクにはなかなか無い地の文多めのお話で雰囲気がとても好みでした……煉獄さんとの日々が丁寧に描写されていて没入がとてもしやすかったです。続編楽しみにしております。 (6月6日 20時) (レス) @page24 id: 96403d796f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:中村 | 作成日時:2023年6月4日 0時

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