拾壱 ページ11
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翌朝。早朝に目が覚め川へ水を汲みに向かう。この屋敷は庭に川が流れているため、わざわざ門の外に出る必要はなかった。
川の水に手の先をつければ、ひんやりとしていて心地が良かった。夏が終わり秋が来る。そんな季節の狭間の匂いが好きだった。
屋敷の中へ戻る途中、何やら物音が聞こえてきて足を止めた。何かが空を切る音。それは絶え間なく私の耳に入り止むことはない。
不審に思って様子を見に行くと、そこには派手な髪色が揺れていた。
「炎柱様!!何をされているのですか！」
桶から手を離しそのまま駆け寄れば、木刀を振りつつ炎柱様は「鍛錬だ！身体が鈍るからな！」と相変わらずはきはきと答える。
「ダメです！身体を休めることも隊士の務め。少なくともあと一週間は大人しくなさってください」
野生の動物か何かなのだろうか。頭の片隅でそう考えながら必死に伝えると、やっと木刀を下ろす。
「よもや、誰かに叱られるのは久しいな！」
見当違いの返事に脚の力が抜ける。その場に倒れ込みそうになり炎柱様に支えてもらいながら、こんなに変な人は初めてだと内心頭を抱えた。
今まで出会った鬼狩り様は怪我を負えばしっかり休息を取っていたのに。というか、動くことすらままならなかったというのに。
「あ、水！」
はたと思い出し後ろを振り返ると、空の桶が少し先の地面に転がっていた。せっかく汲んだのにと肩を落とせば、炎柱様がサッと桶を広い口を開く。
「そこの小川で水を汲めば良いのだな！」
そう確認するなり私の返事も待たず姿を消してしまった。またもや呆気に取られ直立していると、すぐにたっぷりと水を張った桶を軽々と持った炎柱様が戻ってくる。
「台所に置いておくぞ！」
そう言い残して、彼は先に屋敷へと戻っていくのだった。
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シルビア★姉貴 - 中村さん» もし良ければ私と鬼滅で合作しませんか？？ (6月14日 16時) (
レス) id: e86143b1ee (このIDを非表示/違反報告)
中村(プロフ) - NIKOさん» お読みいただきありがとうございました。感動していただけたならばとてもとても嬉しいです。 (6月11日 18時) (レス) id: 97c232aa64 (このIDを非表示/違反報告)
中村(プロフ) - Lullさん» コメントありがとうございます。沢山お褒め頂けて嬉しいです。続編もお読みいただけると幸いです。 (6月11日 18時) (レス) @page29 id: 97c232aa64 (このIDを非表示/違反報告)
NIKO - 面白過ぎですよ…涙腺崩壊させる気ですか？ (6月11日 9時) (レス) @page29 id: 412fd2ba39 (このIDを非表示/違反報告)
Lull(プロフ) - 完結おめでとうございます。占ツクにはなかなか無い地の文多めのお話で雰囲気がとても好みでした……煉獄さんとの日々が丁寧に描写されていて没入がとてもしやすかったです。続編楽しみにしております。 (6月6日 20時) (レス) @page24 id: 96403d796f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中村 | 作成日時：2023年6月4日 0時
