前世の私が両面宿儺と仲良く本に載ってた件３【呪術廻戦】

55話 ページ14

それに……。

私はふと目の前の子供二人を見た。何やら言い争っている。


　「俺の父上はおまえのより凄いって知らないのか？」
　「でっ、でも！ 僕の父上だって」
　「弱いだろ。だから俺の父上がおまえなんかと繋がってやるんだよ」
　
聞けば、権力が強い男の子と権力が弱い男の子の会話だった。

私は前者にちょっとだけムカついたので、隠(気配を消す)をしてからポケットに入れてたヘアゴムを飛ばした。
すると意地悪をしていた男の子の頭にパチン！と軽い音が鳴って当たる。


　太めのゴムなので多少は痛いかもしれないが、それでもちゃんと計算して力加減をしているので激痛は無いはず。
案の定「何かが当たった！？」と男の子は元気に騒ぎ出した。

しかし周囲の子や大人は知らないフリをしたので、騒いだ男の子は泣きそうになる。
結果的に、権力を振りかざしていた男の子は、見下してた子に心配されて友情感じちゃったシーンになってたので良し。
自分でも思うが、結構冷酷さを持ったと思う。


　とはいえ、やはり権力は強し。「これ投げた奴は誰だ！！」とまた犯人探しが始まったので、投げた所から大分離れたところで隠を解いた。


　先程のを見てしまえば、パパ黒が何故連れてきたのかも分かってしまった。

権力、権力、権力。
つまりコネを作れってことだよね。


　周りを見ればそうだった。大人はともかく、子供でさえも横の繋がり縦の繋がりを意識して話しかけあっていた。
まるで白い巨塔。


そんな中、見つけてしまった。


子供らがワチャワチャと何やら集まっている。アリが角砂糖1つを囲むように、一人を対象に集団となっている所を見つけた。
恐らくその中心の人物は、皆にとっての角砂糖。


そんなに繋がりを持ちたい凄い人物なのかな。
　


そんな人物は、一体誰なんだろう？

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