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28話 ページ4

だから、そのままで良かった筈なんだ。

 私は何故か、犯人を担ごうとするパパ黒の前に立ってしまった。

 両手を広げて呪詛師を匿うように前に立った。


 自分でもよく分からないまま出た言葉は「この人殺しませんよね?」だった。
 パパ黒の目的は生け捕り。



 けれども本当に?

 本当にパパ黒がそう言ったのか?



 もし生け捕りじゃなかった場合は私が殺人の手助けをしたのではないか?
 どんどん嫌な想像をしては、突きつけてくる現実に胸が痛みだす。

 パパ黒はそんな私を見透かしたように鼻で笑った。




 「殺しはしねぇよ」




 パパ黒は少し優しめにそれだけを言った。


 少し経って出た言葉にホッとする。
 パパ黒は殺す人は殺すと言うはず。



 「ほんとに?」ともう一度言うと「しつこい。殺すぞ」と圧を出されながら睨まれた。

 渋々と呪詛師の前から退けば、パパ黒はぐったりした呪詛師をひょいっと俵担ぎにした。



 「おい」



 無愛想に掛けられた言葉と共に、何故かゴツゴツした手のひらを出してきた。

 理由が分からず首を傾げていると、不思議そうな顔が伝わったのか、はぁ、とため息をつかれた。



 「ガキ1人で男トイレから出るつもりか? 趣味なら構わん」とパパ黒の言葉が上から降ってくる。



 パパ黒なりの気遣いだったことに気付いて、トテトテと小走りでパパ黒の手を掴む。




 上を向くと、またもや目を見開かれた。



 えっ、繋ぐために手を出してたんじゃないの!?






 「......子守りの手じゃねぇ」




 あっ。呪詛師のパーカーの回収か。

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にゃーちゃん - めっちゃ面白いです!更新楽しみにしてます! (2022年12月26日 18時) (レス) @page16 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
yuumin - すんごい面白いですね! これからも更新がんばってください! 応援してます❕ (2022年9月30日 18時) (レス) @page16 id: a4f8ad7b79 (このIDを非表示/違反報告)
うにゃ猫(プロフ) - 一気に読んじゃいました!!めっちゃ面白くて楽しく読ませて頂きました!!!♪( ´θ`)更新頑張って!!めっちゃ応援してます (2022年9月29日 3時) (レス) @page1 id: 173f9610a3 (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - 一気読みさせていただきました…!続き待ってます…! (2022年9月25日 17時) (レス) @page16 id: d025dfcb18 (このIDを非表示/違反報告)
kotorei - 一気読みしました‼︎お話とても面白かったです!!!更新お待ちしてます (2022年9月20日 18時) (レス) @page16 id: 45d1041675 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:_ | 作成日時:2022年9月3日 16時

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