P27 「わるかった」 ページ27
―――バタン
『あ……
―――いた』
甲板へと出る扉を開くと、まずはじめに目についたのはマルコ隊長だった。
「ああ、来たかねい」
…向こうもこちらに気づいたようで。
私は直ぐにマルコ隊長の所へと駆け寄った。
『あの……。
…用、とは』
不審げに彼に問う私。
…また、お説教かな。
「……安心しろ、今回は叱るために呼んだんじゃねェ。
―――悪かった」
『!』
なんと。
謝るのではなく謝られた。
「――――ろくに戦闘や会話も出来ねェお前が、何故この白ひげ海賊団にいるのか。
……不思議でしょうがなかった」
『……。
…ですよね』
何事にもビクビクして、返事すらもままならない私。
…いくら隊長いえども、私にはなんの期待も持っていなかったようだ。
「だから3日前、お前が甲板に出てきて銃を構えた時には………ヒヤリとしたねい。
無駄な負傷者や死者は出したくねェからな」
『……』
「…しかしどうだ、お前は俺の考えとは裏腹に敵を見事討ち取った。
あの時は、俺含め誰もが目を丸くしたよい」
「………まァ、なんだ。
俺が言いてェのは、今までお前のことを過小評価しすぎてたってことだ。
…すまなかったな」
マルコ隊長は頬を掻き、何だか分が悪そうな感じでそう言った。
『……いえ、いいんです。
そもそもの話、私の意志とこの性格が悪かったんですから。
……これからも、宜しくお願いします』
私は申し訳ないように軽く頭を下げてから、少し微笑んだ。
「…!
……あァ」
「(笑った…?)」
黙って私を見下ろす隊長と、
黙って俯いている私。
―――――その沈黙は、ずっと続いた。
1439人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
文ストオタクの一般人 - 最初、、、私と仲間じゃん!ヤッター!!落ちてから(恋に)、、、かわヨ。お幸せに!(泣) (2023年3月20日 21時) (レス) @page41 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊い国民☆(プロフ) - んぎゃァァァ!!!!!!!!可愛すぎんよ!!!!!!!!恋する乙女は無敵だ!!!!!!!!(?)いいねぇ、ナースの人の「恋してから可愛くなった」というセリフは心にグサッと刺さりました!!!!!!!!可愛いよぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!! (2022年10月2日 16時) (レス) @page41 id: af4a079e32 (このIDを非表示/違反報告)
モブ太郎 - ディちゃんさん» のああああああああああああ (2022年8月17日 2時) (レス) id: 3fdbb0f866 (このIDを非表示/違反報告)
ディちゃん(プロフ) - こっからエース君が...きぃやぁあああぁあああぁああああ!!!! (2022年3月8日 20時) (レス) @page41 id: 7ad8b1babb (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - すごく素敵です…!!! (2022年2月4日 18時) (レス) @page41 id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:植物素材*受験生!!! | 作成日時:2014年8月30日 16時