#001 限界社畜、転生した ページ1
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『 マジここどこ… 』
皆さんは、残業終わりに大型トラックに轢かれた末、見知らぬ森にポイされていた経験は有るだろうか。
私は無い。否、"無かった"の方が正しいだろうか。
そう、今私は完全に上記の状況なのだ。
最初は、私を轢いたトラック運転手が証拠隠滅の為に私を森へポイしたのかと思ったが、体に負傷はなく、痛くも痒くもない為、その可能性は打ち砕かれてしまった。
『 ヤバいって…マジヤバいって… 』
目が覚めた頃から私は「マジヤバい」と「ここどこ」しか言っていない気がし始めてきた。
怖いからしょうがないのだ。「あわわ可哀想」とでも同情しておいてくれ。
___パキリ
『 ひぇっ……!!! 』
草陰の方から小さく鳴った音に思い切り肩を揺らす。
場所が場所なだけあって、辺りは少し薄暗いし、こんな見知らぬ土地で狼やら熊やらに遭遇してみろ。逃げ道なんてものもなくただただ無様に食い散らかされて終了だ。
トラックに轢かれ死に、その後は猛獣に食われて死ぬ?そんなの御免だ。
「 チッ…すばしっこいやっちゃなァ…お? 」
「 まあええやろ、どうせ逃げた所で狼にでも食い殺されて終わりや…お? 」
『 …こ、ころさないでください 』
出てきたのは狼でも熊でもない、"ただの"サッカー青年とニット帽の青年だった。だがそれは、もし彼等に返り血らしきものが着いていなかった時の場合の話だ。
明らかに何者かを殺めたであろう返り血、そして物騒な会話。
__コイツら、ヤバい。
本能がそう叫んだ時、私は社畜の経験を生かし0.1秒程で最善策を考えた。
そう、白旗を挙げることだ。いやそもそも闘いなんてものは最初からしていないのだけれど。
どうせ逃げたところで殺される未来が見える。
「 観光客か? 」
「 いやちゃうやろ、どう考えてもまだ子供やし、迷子やないの。 」
「 ふーん、ほうか。おいガキ、ここは大きな猛獣が出たりするんや、大人しく家帰り。 」
『 ( どうやら転生してきたので ) …家、ないです 』
「 はあ? 」
「 ちょ、どうするん、明らかに訳ありやろコレ 」
「 母親は?父親は? 」
『 ( 家がないので当たり前に ) …いないです 』
嘘をつけばバレた時に一瞬で首が飛ぶだろうと考えた私は素直に正直に質問に答えた。
何処かなんとなく勘違いしていそうだが、そんなことに構えるほどの余裕は無かった為そこは目を瞑る。
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N。アライブ - 幼女主意外と少ないので嬉しいです ありがとうございます。m(_ _)mペコリ (2022年9月22日 20時) (レス) @page7 id: d131f8ee7c (このIDを非表示/違反報告)
夕 - とても面白いです!見てて楽しい!更新ゆっくりでいいので頑張ってください!! (2022年9月5日 10時) (レス) id: ccbb87a59f (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - やばい面白すぎwwwwww更新頑張ってください!!!! (2022年8月29日 17時) (レス) @page7 id: 4426751014 (このIDを非表示/違反報告)
徹夜のシロツメクサ - ごめんなさい!私こういうの初めてなので…次から気を付けます!指摘ありがとうございました! (2022年8月21日 11時) (レス) @page6 id: 9362d20e8c (このIDを非表示/違反報告)
三日月(プロフ) - はぁぁぁ!面白いぃぃぃ!続き待ってます!更新、ゆっくりでいいので頑張ってください! (2022年8月17日 8時) (レス) @page5 id: 918b15eb68 (このIDを非表示/違反報告)
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